分かりにくいけれど面白いモノたち
魔法瓶の会社が「日傘」や「保冷バッグ」を作ったら……“遮熱”全振り、実用的な商品ができた件(7/7 ページ)
フィルムにコーティングで塗装する関係上、表の色も制限があって、ロゼゴールド、シルバー、メタリックグレーといった光沢感のあるカラー・バリエーションになっている。シルバーよりもホワイトの方が遮熱効果は高いのだけど、白に塗ることが難しかったということもあるそうだが、軽量タイプは男性に好まれることが多いということもあって、メタリックな三色にしたそうだ。
この裏の黒がラミネートフィルムやウレタンコーティングではなく、フィルムは外側にあるという構造の方が、今回のように生地を薄くした場合は、遮熱効果を保ちやすいというのも面白い。これによって、高遮熱タイプに比べて高密度の生地を使わずに約50gの軽量化と同時に、遮熱率40%以上という、実用的なスペックの晴雨兼用傘に仕上げたわけだ。実際、210gというのは、直径97cmの傘としてはかなり軽い。
面白いのは、男性ユーザーは軽量と耐風性能を重視し、女性ユーザーは遮光、遮熱性能を重視する傾向にあるということ。これは、日傘を必需品と捉えるか、従来の折り畳み傘同様、いざという時のためと考えているかの違いなのだろう。実際、街で見掛ける日傘をさしている女性のほとんどが表が白で裏が黒の傘だったりするのは、遮光や遮熱の数値に敏感だということだろう。ただ、その意味でも、ホワイト以外の色でも遮熱率60%を実現している高遮熱タイプは、色を選べるというメリットがあるわけだ。
確かに、耐風性能はあまり高くはない。私はビル風が吹き荒れる強風地帯に住んでいるので、耐風性能のチェックがしやすいのだけど、やはりグラスファイバーやカーボンファイバーを親骨に使った傘に比べると強風には弱かった。とはいっても、コンビニのビニール傘のように、一発で壊れるということはないので、注意して使えば問題ないだろう。
今の日本では、日傘は夏の必需品になってしまったので、いろんなメーカーが、それぞれに新しい技術を日傘に注ぎ込んだ製品を発表している。その中で、“遮熱効果”に全振りした日傘を、温度管理を得意とするサーモスが出してきたというのは、なんだか理に適っているような気がする。遮熱率60%は、土の地面を歩く場合、圧倒的な涼しさを感じることができる。何にせよ、日傘の選択肢が増えるのは良いことだと思う。
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ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。
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