小寺信良のIT大作戦
「イルカいないの?」って言ったヤツちょっと来い 蘇るトラウマ、「Copilot Keyboard」正式リリース(2/5 ページ)
なぜイルカは伝説となったのか
かつて「Office 97」の時代、新機能としてキャラクターによるオフィスアシスタントが搭載された。従来のヘルプは検索窓にキーワードを入力するだけなのは味気ないということなのか、キャラクターを経由して親しみやすくしようという試みであった。
キャラクターは数種類提供されたが、日本語版にはオリジナルの「冴子先生」が搭載されるなど、かなり力の入ったプロジェクトであった。そのデフォルトのキャラクターがイルカの「カイル」である。
ただ、この機能は不評であった。当時のCPU、GPUとメモリー環境では、常時アニメーションするキャラクターをデスクトップ上にオーバーレイさせておくのは負荷が高かった。
よってキャラクターを表示させておくだけでOfficeが重くなる。それだけでなく、突然脈絡もなく話しかけてきたりするので、作業の邪魔になる。ただでさえ低解像度で狭い画面内にキャラクターが居座ると、その後ろの文字が見えない。キャラを置いておく場所がないのだ。
このためキャラクターを消したい人が続出した。しかし消す方法が分からず、検索窓に「お前を消す方法」と入力したスクリーンショットがネットで大人気となり、ある意味ネットミーム化したのだった。
結果的にこのオフィスアシスタントは「Office 2007」で消滅した。ユーザーの不評にもかかわらず、なんと10年間も居座ったのである。
その因縁のイルカが復活したということで、現役でイルカと格闘したことがある古参PCユーザーにしてみれば、余計な事しやがって感が強い。しかも今回は日本語変換システムに乗っているので、Officeを使っているときだけに限らず常時出てくる。全画面表示で動画を見ているときでもその上に乗ってくる。
キャラクターを表示させるには、スキン設定で「デスクトップにアニメーションキャラクターを表示」をオンにする。同様に表示させたくない場合はオフにする。キャラクターの大きさは3サイズから選べる。
とりあえず「大」にしてみたが、体感的にはこれぐらいが、以前Office 97で表示されていたサイズ感に近い。ただ現在はディスプレイ解像度が上がっている関係で、ピクセル数的には大きくなっているはずだ。
およそ30年ぶりの邂逅(かいこう)となったわけだが、久しぶりに見ると「あれ? お前そんなんだっけ?」という違和感がある。角度の問題かもしれないが、以前よりも口先が長いような気がする。イルカと言われればイルカ以外には見えないが、微妙に何かが違っている感じがする。いかにもこの違和感がAIの本質を象徴しているようだ。
このイルカは漢字変換してる間は微妙にふわふわ浮いているだけで基本的にはなにもしない。相変わらず気を散らすだけである。しかしこのイルカをクリックすると、Copilotのチャット欄が右側に開く。ここでのキャラクターも、イルカの人格を継承している。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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