「出世できても断りたい」 管理職を避ける若手IT人材たち……上司には言えないむき出しのホンネ(1/3 ページ)
「残業代が出ず、昇進しても手取りに大きな差はない。ロールモデルとなる上司は長時間稼働で疲弊している。出世できるとしても、しばらくはこのままでいい」──とある広告企業でIT関連職として働くNさん(20代後半、仮名)は、自身のキャリアについてこう話す。
ビジネス誌などでも「若手人材が管理職になりたがらない」という話題が盛んに報じられる昨今。IT人材も例外ではなく、レバテックが3月に発表した調査によれば、20代は計36.2%、30代も計56.2%が「ほとんど管理職になりたいと思わない」「全く管理職になりたいと思わない」と答えている。
理由はさまざまだが、その真意が上司や人事に直接伝えられることはほぼないといっていいだろう。本記事では、NさんなどのIT人材に行った匿名取材を通し、普段は決して周囲には漏らさないホンネから「管理職になりたくない理由」の一端を探っていく。
「管理職になるうまみが感じられない」
Nさんは新卒から今の企業で働くプロパー社員。今まで昇格・昇級も順調で、すでに現在働く部署のマネジャーに次ぐ職位という。しかし、しばらくはこれ以上昇級・昇格する気はなく、今の立場で働きたいと考えていると話す。
主な理由は働き方だ。現在は残業代ありのフレックスタイム制で働いているが、これ以上職位が上がると裁量労働制になり、残業代が出なくなる。給与テーブルと照らし合わせると、昇給を考慮しても手取りの総額が大きくは変わらないので、管理職になるうまみが感じられない──というのがNさんの考えだ。
「直属の上司がハードワーカーで、常に社内チャットがオンラインになりっぱなしなのもあり、余計に責任・業務量が重く感じる。仕事自体は楽しいので、現在の給与と責任で働き続け、副業や投資で収入を増やしたい」という。そうした姿勢は社内の評価に悪影響を及ぼすのではないかとの疑問もあるが、Nさんは「居にくくなったら柔軟に転職を検討する」と強気だ。
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