CDを生んだソニーが、ゲームの“円盤”に終わりを告げる事情 プレステとディスクの30年史(3/3 ページ)
SIEはディスク生産の終了に当たり、「デジタルメディアへの需要が物理ディスクを大きく上回るなか、ユーザーの利用実態や市場環境の変化を踏まえて決定した」と説明した。
実際、ゲーム流通の主軸はすでに円盤からネットワークに移っている。同社の25年度決算で公表された資料によると、ゲームのダウンロード販売比率は25年の通年で78%、直近の第4四半期(26年1~3月)は過去最高の85%に達したという。ディスク版の購入者は15%しかいない。
映像コンテンツの視聴環境もいまやストリーミングが中心だ。JEITA(電子情報技術産業協会)によると、25年のBDレコーダー国内出荷実績は前年比約20%減の62万3000台。地上波テレビ放送のデジタル完全移行でテレビやレコーダーに特需があった11年(678万9000台)に比べると市場規模は10分の1以下となった。
こうした状況を受け、ソニーは25年2月にBlu-ray Discのメディア生産を終了。今年2月には、Blu-ray Discレコーダーの出荷終了も発表した。さらに同社は、テレビやホームシアターシステムなどの事業を中国TCLとの合弁会社に承継する準備を進めている。新会社はTCLが51%の株式を持つ予定だ。
ソニーにとって、もう普及させたいメディアや対応機器が手元にない。ユーザーも大部分がダウンロード販売を受け入れている。であれば、あえてコストの掛かる光学ドライブをゲーム機に搭載する理由はないだろう。
PlayStationだけで30年、PC Engineから数えると38年も続いた光学メディアによるゲーム流通は、とっくに曲がり角を迎えていた。だから今回の発表は「ついに来たか」なのだ。そして次世代機とされる「PlayStation 6」は、光学ドライブを持たないゲームコンソールになる可能性が一層高まったといえそうだ。
【訂正:2026年7月6日14時44分更新 ※初掲時、PS1の発売年に誤りがあり修正しました】
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