「ポロクル」も「まちのり」も止まった ドコモ・バイクシェア大規模障害、影響が全国に及んだ理由(2/2 ページ)

 例えば、札幌市で展開する「ポロクル」は、毎年春から秋にかけてシェアサイクルを運営しています。ドコモ・バイクシェアが新料金体系やブランド変更を発表したのは、ポロクルの2026年シーズンの営業開始まで約1カ月というタイミングでした。しかし、記者会見の翌日に掲載されたポロクルのお知らせには、2026年シーズンの営業は「近日中にお知らせします」という内容のみが記されていました。

ポロクルのお知らせ(出典:ポロクル)

 その後、ポロクルはドコモ・バイクシェアのシステムを使うものの、札幌市内におけるサービスはドコモ・バイクシェアの「NOLL」ではなく「ポロクル」として継続することや、2026年シーズンについては「1回利用」と「月額利用」の料金が据え置きとなることを発表しました。少なくとも2026年シーズンについては、ドコモ・バイクシェアの「NOLL」とは別サービスと位置づけて展開するようです。

 ポロクルは、2026年シーズンの営業およびサービス名称について次のようにアナウンスしています。

※ 札幌のサービス「ポロクル」の名称に変更はございません。

※ ポロクルでは、2026年シーズンでの新型車両の導入予定はございません。

※ ポロクルでは、2026年シーズンにおける「1回利用」と「月額利用」の料金改訂はございません。

 その後、ドコモ・バイクシェアは今回のシステム障害のきっかけとなった仕様変更を8月1日に、料金プランの変更と「NOLL」ブランドへの刷新を9月1日に行うことを決定しました。このスケジュールは7月13日付で発表されています。

 新料金体系については発表時点から変更がありませんが、影響が大きいのは毎日の通勤や通学で利用していた月額会員でしょう。月額会員はこれまで、1回30分以内の利用であれば1カ月あたりの利用回数に上限が設定されていませんでしたが、新料金体系では月額料金は据え置きのまま、含まれる利用回数が月間30回までとなり、31回目以降の利用には10分あたり99円の料金が発生します。

 通勤や通学などで往復利用するパターンでは月に15日間で上限に達するため、毎日の通勤・通学で使っているユーザーには大きな影響がありそうです。

各住宅棟にシェアサイクルポートを設置する「HARUMI FLAG」

横浜市でスタートした他社との「ポート共有」にも影響

 ドコモ・バイクシェアのシステム障害は、自社サービスが利用できなくなるだけでなく、他社との連携事業にも影響を及ぼしました。具体的には、競合サービスの「HELLO CYCLING」を提供するOpenStreetと共同で実施している横浜市内のポート共有が、ドコモ・バイクシェアの障害の影響で一時停止となりました。

OpenStreetのお知らせ(出典:OpenStreet)

 障害の影響は、ドコモ・バイクシェアが各地のサービスを再開した後も続いており、本稿を執筆している時点で共有ポートの再開時期は未定です。HELLO CYCLINGのサービス利用者にしてみれば、提携パートナーのシステム障害によって共有ポートが一時停止になるという、予想外の影響と言えるでしょう。

横浜市で実施されているOpenStreetとのポート共有は、システム障害の影響で一時停止になった

 8月13日には全国全エリアでドコモ・バイクシェアのサービスが復旧しましたが、横浜市のポート共有は当面の間利用できないほか、コンビニエンスストアで購入できる「コンビニパス」も利用・販売の一時停止が続くなど、引き続き影響が残っています。

9月の新料金、新ブランドのスタートにも不安

 ドコモ・バイクシェアは、3月に開催した新ブランド「NOLL」と新型車両の発表会で「楽しく安全に乗ってほしい、不安をゼロ(スウェーデン語でNOLL)にしたい」と、その想いを語っていましたが、新ブランドを発表してすぐの延期、そして今回のシステム障害につながる一連のゴタゴタに、筆者は大きな不安を感じています。

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