MCPの新たなロードマップ公開 今後はAIエージェント対応、HTTP通信への統一などに注力

この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「MCPの新ロードマップ公開、今後はAIエージェント対応、HTTP通信への統一、アイデンティティ、よりよいデベロッパー体験などに注力」(2026年8月27日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。

 Linux Foundation傘下でMCP(Model Context Protocol)の仕様策定を行っている「Agentic AI Foundation(AAIF)」は、今後のMCPの進化について、その方向性を示す新たなロードマップを発表しました。

 MCPはAIツールとサービスを接続するための事実上の業界標準となっている通信プロトコルです。

 もともと2024年11月にAnthropicが自社のAIサービスであるClaudeと外部のデータソースを接続するために提唱したプロトコルです。2025年12月にLinux Foundationに移管され、オープンな業界標準としてアップデートされてきました。

 今年(2026年)7月にはエンタープライズ向けにアクセスを一括管理できる「Enterprise-Managed Authorization(EMA)extension」が安定版となり、またステートレスな接続になったことで容易にスケールできる大型のアップデートが行われました。

関連記事:

MCPにエンタープライズ向け新機能、アクセスを一括管理できる「Enterprise-Managed Authorization(EMA)extension」が安定版として利用可能に

MCP仕様が明日アップデート、7月28日版MCPからはステートレスな接続が正式仕様に。GitHub MCPサーバが早くも対応発表

5つの優先事項を発表

 今回発表されたのは、今後のMCPの進化に関するロードマップです。5つの優先分野が示されています。

 それぞれの概要を紹介しましょう。

Agentic messaging primitives(AIエージェント向けのメッセージング)

 MCPの登場当初、AIの主な使い方はチャットで質問し、その答えが返ってくるというものでした。しかしその後のAIがエージェントへと進化したことで、AIがバックグラウンドで長時間タスクを処理し続けることが増えてきました。

 こうした状況に対応するため、サーバがストリーミングで結果をプッシュできたり、クライアントがポーリングすることなくサーバ発のイベントを取得できたりするように、サーバー主導イベント(server-initiated events)の実現、AgentsワークグループとTransportsワークグループとTriggers&Eventsワークグループが協力してメッセージング構成を見直すことなどを進めていくとしています。

HTTP-native transport unification and hardening(トランスポートをHTTPネイティブに統一へ)

 MCPはもともとWebSocket、stdio、ローカル接続などの複数の通信方式が混在していましたが、最新の2026-07-28仕様でリモートMCPサーバーもHTTP経由で接続できるようになりました。

 今後この方向性を推し進め、MCPの通信方式を完全にHTTP ベースに統一し強化していくとしています。

Agent identity and enterprise-ready security(AIエージェントのアイデンティティとエンタープライズ向けセキュリティ)

 現在のMCP認証は、ブラウザ上で人間が承認することを前提に構築されています。

 しかし今後はAIエージェントが独自のアイデンティティを持ち、ユーザーの代理として処理を行い、サブエージェントに権限の一部を委譲して処理を任せることが期待されています。

 今後は人間による承認に依存せずに安全に権限を管理できるように、エンタープライズ環境で本番運用できるAIエージェントのアイデンティティ管理をMCPに組み込もうとしています。

 具体的には、AIエージェントが必要な権限だけを安全に取得するための 標準的なトークン交換プロトコルの実装および監査、権限分離などの仕組みなどを実装するとしています。

Improved primitives(基本ツールの改善)

 MCPにおけるツールの呼び出しやツールの発見の際の複雑さを軽減し、より一貫性があり、扱いやすい形式にする。

 例えばツールの発見では段階的に、例えばまずカテゴリを示し、カテゴリを選択すると関連ツールの一覧を表示する、などの分かりやすい仕組みを取り入れる。

Improved SDK developer experience(SDKでの開発者体験の改善)

 MCPのクライアントやサーバを実装するためのSDKは多くの人間だけでなく多くのAIも使い始めている。そうなるとAPIが直感的であること、ドキュメントが正確であることがより重要となる。そのため、さらに使いやすく、仕様に忠実なものへ改善するように取り組む。

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