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がんの死亡リスク、350mlの缶ビールを1日1本で増加? アルコール起因のがん死亡数が33年間で2倍に 米国研究

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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2

 米マイアミ大学や米ハーバード大学医学部などに所属する研究者らが学術誌The Lancet Regional Health ? Americasで発表した論文「Alcohol-attributable cancer mortality in the United States, 1990?2023: a secondary analysis of Global Burden of Disease data」は、米国において、アルコールに起因するがん死亡数が1990年から2023年までの33年間で2倍に増加したことを明らかにした研究報告だ。米国ではがん全体の死亡率自体は減少傾向にあるにもかかわらず、この結果が出たという。

缶ビールのイラスト(絵:おね)

 研究チームは、世界の疾病負担(GBD)データを解析し、米国におけるアルコール起因によるがん死亡率の推移を包括的に調査した。

 その結果、1990年には1万1361人だったアルコール起因によるがん死亡数が、2023年には2万3126人にまで増加していることが判明した。性別で見ると、男性は女性の約3倍の死亡率を示し、むしろ女性は減少していた。

 年齢別に見ると、55歳以上の死亡率は若年層の約8倍に達し、全体の約84%を占めている。飲酒によるがんは数十年かけて発症するため、若いころからの飲酒ダメージが蓄積し、高齢になってからその影響が現れたものと考えられる。

 がんの種類別に見ると、23年時点では55歳以上の男性で肝臓がんが、同年代の女性で乳がんが、最もアルコール関連死亡率の高いがんとなった。一方、20歳から54歳の層においては、男性で大腸がん、女性で乳がんがそれぞれトップを占めている。特に肝臓がんは、アルコールに起因する死亡率の増加幅が最も大きく、男女ともに深刻な影響を及ぼしている。

 飲酒量と発がんリスクの関連は、例えば乳がんでは1日5~15g(350mlの缶ビールで約14g)という少量のアルコール摂取でもリスク上昇との関連が示されている。また、膵臓がんでは1日あたりの摂取量が10g増えるごとに全体のリスクが3%上昇し、食道がんでは1日3杯超飲む人は全く飲まない人に比べて発症リスクが少なくとも4倍に跳ね上がることが指摘されている。

Source and Image Credits: Jani C, Edwards K, Sharma R et al. Alcohol-attributable cancer mortality in the United States, 1990?2023: a secondary analysis of Global Burden of Disease data The Lancet Regional Health ? Americas, 2026; 0

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山下(Seamless)
山下(Seamless)

2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。

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