名称なぜ「テッペイ」? JR東、遅れすぎたコード決済参入の勝算(4/4 ページ)
たった10カ月でどうシステム構築したのか
最後に約1年前のteppayレポートで触れた突貫工事の答え合わせだ。開発にまつわる詳細な政治事情については別記事に譲るが、筆者が情報源から聞いている範囲で、teppayが実質10カ月程度の開発期間だったことは間違いない。だが「7pay」で憂慮されたような品質の悪さによるトラブルの心配は少ないと考える。
その理由はteppayの開発体制にある。JCBプリカの発行機能やコード決済での「Smart Code」連携などにみられるが、teppayの随所にJCBの“息吹”が感じられる。このほか典型的なのが銀行口座からの口座振替機能を利用しての残高チャージだが、サービス開始時点で日本国内のほとんどの主要銀行をカバーしている。「10カ月の開発期間で機能盛りだくさんでは?」とも感じるが、その秘密はおそらくJCBが提供するSaaS(Software as a Service)の金融サービスパッケージを積極活用したことにある。
筆者の推測も混じるが、MPMと呼ばれるteppayで店舗のQRコードを読み込んで決済する機能を除き、ほとんどの機能はJCBが提供するサービスパッケージをカスタマイズして組み込むことで実装していると考えられる。これにより品質を担保しつつ、短期間でのサービスインを可能にしたとみられる。
考え得るデメリットとしては、自前でシステムを開発した場合と比較して手数料その他の面でJR東日本の取り分が少なくなり(つまりJCB側に支払う金額が増える)、本来決済サービスで得られる利幅が少なくなることが挙げられる。teppayの最優先ミッションとして「ポイントプログラムを組み合わせたコード決済サービスを素早く立ち上げる」があり、利益よりもスピードを優先したのが今回の一連の仕組みではないかと考える。至急の課題としてSuicaのテコ入れとグループ内周辺サービスの盛り上げがあり、teppayは単体でのビジネスよりも、あくまでそれらを支えるのが目的なのではないかというのが筆者の予想だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「侵入経路塞いだが、バックドアから……」不正アクセス105時間の攻防、分単位で報告 防災メールのアルカディア
-
2
NECの委託先にサイバー攻撃 正規アカウント悪用し顧客のサーバ暗号化、個人情報の漏えいも
-
3
ソースネクスト、パスワードなぜ平文で流出 「暗号化していたが、鍵にアクセスできるシステムに侵入された」
-
4
「お名前.com デスクトップクラウド」不正プログラム設置で全プラン停止 FX用VPS、2万6739サーバに影響か
-
5
スクエニアカウントに不正ログイン、他社で流出の情報使用か 全アカウントのパスワード強制リセットも視野に
-
6
ふるさと納税の「ふるさとチョイス」、会員情報445万件流出 寄附控除試算額も
-
7
認証局eMudhraの中間証明書、秘密鍵が「数ミリ秒」で復元可能な脆弱性 大手各社が緊急遮断
-
8
メドレー、不正アクセスで停止中のサービスを作り直して再開へ 従来システムは再稼働させず
-
9
デジタル庁、政府職員18万人にAIエージェント環境を展開──「源内」で提供開始、独自の安全基準も
-
10
栃木県警、全職員の情報流出か アルカディア不正アクセス、他県警でも被害判明相次ぐ 報道
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR