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「竜」でも「龍」でも芥川を1秒以内に検索 三省堂がIBMソフトを導入

» 2004年04月12日 12時41分 公開
[ITmedia]

 三省堂書店はこのほど、店舗と営業所で使用する書誌検索システムを、日本アイ・ビー・エム(IBM)の検索ソフトを導入して再構築した。書店の店頭検索端末としては初めてあいまい検索に完全対応させ、検索時間を約1秒に短縮。店舗によっては検索件数が約3倍に増えたという。

 N-gram方式に対応した日本IBMの高速検索ソフト「DB2 Net Search Extender」を導入した。

 N-gramは、例えば「長野市役所」を「長野」「野市」「市役」のように意味とは無関係に全文字を高速検索できる形に変換・圧縮する方式。一般的な複合語処理と比べ、「長野」では検索できるが「長野市」では呼び出せない、「市役所」では引けるが「役所」では対象外になるといった不都合を防げる。

 新システムでは、芥川龍之介の正確な表記を忘れて「竜之介」や「龍之助」と入力しても、1秒以内に全著作を検索できる。また誤って「ぜいこうかいけい」と入力しても「税効果会計」と正確な書名の書籍を検索してくれるという。

 3月22日に神田本店(東京・神保町)で稼働を始め、4月8日から全店舗に拡大した。神田本店では、これまで1日当たりの検索件数が約7800件だったのが、新システム導入後は約2万2000件に増えたという。

 新システムは日本IBMのUNIXサーバ「eServer pSeries 620」に搭載したDB2が管理する在庫データと、検索ソフトと検索用書誌インデックスを搭載した「pSeries 630」がベース。WebSphereを介してインターネットに接続し、全国の店頭端末や社員用検索システムから利用できる。システム構築はセイノー情報サービス(岐阜県大垣市)が担当した。

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