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体重や血圧から病気発症率を具体的に予測 NTTデータと九大がシステムを開発

» 2004年04月13日 20時31分 公開
[ITmedia]

 NTTデータは4月13日、健康診断の結果から糖尿病など生活習慣病の発症率を予測するシステム「ひさやま元気予報」(仮称)を開発したと発表した。九州大学大学院医学研究院との共同研究に基づくもので、生活習慣病予防に向けた医師のアドバイスに役立てる。

 年齢、体重、血圧、運動量など健康診断の結果から、今後10年間に生活習慣病を発症する可能性を予測する。予測できるのは脳梗塞、虚血性心疾患、糖尿病、高血圧になる確率。

 体重や血圧などをスライドバーで変えることで、生活習慣をどう変えれば、どの程度発症率が下がるかシミュレーションできる。例えば、「体重をあと5キロ減らせば、脳梗塞の発症率をを23%から12%まで減らせる」といった具体的なアドバイスが可能だ。

 疾患リスクの算出式は、福岡県久山町で約40年間にわたって行われてきた健康診断のデータを解析して導き出したものをベースにした。久山町の住民向けにはシステムの試行運用をすでに開始している。

 システムへログオンするには指紋認証が必要。住所や氏名などの個人情報は、健康診断情報とは別のサーバで管理することで、個人を特定しにくくしている。

 将来は、胃がん、高脂血症などの発症率も予測可能にする予定。健康診断結果に遺伝子情報も加え、テーラーメード医療にも役立てる計画だ。

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