Apple ComputerはPower Mac G5の新ラインナップとして、すべてデュアルプロセッサにしたスピードバンプモデルを発表したが、最高速モデルは2.5GHzで、昨年のWWDCで同社CEOのスティーブ・ジョブズ氏が確約した3GHzには到達していない。
同社のPower Macプロダクトマーケティング担当ディレクターであるティム・ボガー氏は、技術的に乗り越えなければならない壁が予想よりも大きかったと説明。PowerBook G5に関しても、G5を小さな筐体に詰め込むのは困難で、年内のリリースは期待しないように、と述べた。
Power Mac G5のヒートシンクを見たことがある人なら、これがポータブル機に適さないのは分かるだろう。これがG5で乗り越えなければならない「壁」だ。
「G5をPowerBookに入れるのは、技術的に簡単なことではなく、PowerBookへのG5搭載が近々、恐らく年内に可能になるとは期待しない方がいい」とボガー氏。iMac G5の発売時期には触れなかったが、コンシューマーデスクトップでも同様の問題があるとは言明した。
「(コンシューマーデスクトップも)同じだ。G5とヒートシンク、エンクロージャーのサイズを見れば、どれだけ大変なことかが分かるはず」とボガー氏。
昨年のWWDCで、スティーブ・ジョブズ氏は、Power Mac G5が1年以内に3GHzに到達すると述べた。しかし、締め切り時間まではあと2週間しかなく、ボガー氏は、3GHzの公約には到達できないと述べた。
「この問題は非常に単純で、3GHzの予想をしたときには、90ナノメートルの壁が大きなものだとは知らなかった。当初は誰も予想しないほど困難だということが、後で分かった」とボガー氏。
「結局、近いうちに3GHzチップを入手できる見込みはないが、性能面ではきわめて大きな向上を果たすことができ、こうして新モデルを発表できてうれしく思う」と同氏。
ボガー氏は、新ラインナップに搭載された技術について説明を加えた。「最上位モデルには新しい冷却システムを使っている。これは最新式の水冷システムで、ハイエンドモデルのみ搭載。クローズドループで、基本的にプロセッサ個別に冷却水が循環し、グリルに戻ってファンで冷却され、冷却水の温度を元に戻す、という仕組みだ。完全にメンテナンスフリーで、非常に静粛。この製品ラインにとってはとても重要なことだ」とボガー氏。
新製品では、プロセッサにおいても新技術が使われている。最初に使われたのはXserveのほうだが、2.5GHz G5では90ナノメートルの製造技術が採用されている。
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