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HP、DLPの実効解像度を2倍にする技術を発表

» 2004年06月10日 10時00分 公開
[ITmedia]

 米Hewlett-Packardは6月9日、コストを大きく上げることなく、デジタルプロジェクタの解像度を2倍にする技術を発表した。HPは、同社のイメージング/プリンティング部門が開発したこの技術を「wobulation」というコードネームで呼んでいる。

 特許出願中のwobulationは、Texas Instruments(TI)のDigital Light Processing (DLP) 技術と組み合わせることにより、明瞭なイメージを維持したままで実質的に解像度を2倍にするというもので、ライトモジュレータの変更やピクセル数を増やすことによるコスト増を回避できるという。同社は早くからDLPを採用しており、ビジネス向けにDLPの製品ラインナップを持っている。

 一般的に、デジタルプロジェクタでは、解像度を高くするためにはスペーシャル・ライト・モジュレータ(SLM)という複雑で高価な部品の数を増やす必要があり、コスト増と製造上の問題がのしかかってくる。

 wobulationは、複数のサブフレームのデータを生成し、光学イメージのシフトメカニズムを用いてそれぞれのサブフレームを非整数ピクセルの単位で移動させる。このサブフレームは高速で連続投影されるため、視聴者は事実上、高い解像度のプロジェクタ画像を見ていることになる。

 この解像度向上技術はフロントプロジェクタでもリアプロジェクタでも利用可能。また、特定のSLM技術に依存しているわけではないので、将来登場するSLMにも対応できるという。HPではこのwobulationをベースにしたフロントプロジェクタおよびリアプロジェクタを2005年に投入する計画だ。

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