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宇宙ステーションの技術でごみを再資源化

» 2004年06月21日 18時41分 公開
[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月21日、有機廃棄物の再資源化技術について、民間企業に実施許諾したと発表した。宇宙ステーションなどで長期の有人宇宙活動を行う際の技術を活用したもので、有機廃棄物の再生処理装置として実用化する。

 JAXAが持つ知的財産の民間移転促進策の一環。実施許諾はカラサワファイン(さいたま市)に与えた。

 技術は、有機廃棄物を圧力と触媒で水と炭酸ガスに分解する「有機廃棄物の無機水分化技術」、排水を浄化する「水再生技術」、炭酸ガスから酸素を作る「空気再生技術」で構成。元々は、長期にわたる有人宇宙活動における自給自足型生命維持技術として開発したものだ。

 この技術を応用すれば、生ごみし尿といった有機廃棄物を資源として再利用可能だ。JAXAはカラサワファインと共同でシステム構築と技術実証を行い、実用化のめどが立ったため実施許諾した。飲食店のごみ処理や農業廃水の再生など、幅広い分野での利用が可能とみている。

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