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英国政府がオープンソースのメリットを説く報告書

» 2004年10月29日 08時20分 公開
[IDG Japan]
IDG

 英国政府が10月28日、オープンソースソフトはサーバ上のメリットが実証されているのみならず、デスクトップでも成熟度を増しつつあるとの報告書を発表した。

 この報告は、公共セクターでのオープンソースソフト試験利用を総括するものとして、英国の中央調達機関である英国商務局(OGC)がまとめた。

 OpenOfficeやSun MicrosystemsのStarOfficeといったデスクトップ製品についてOGCは、ルーティン業務をこなす「事務職員」向けでは進歩が見られるが、もっと高度な機能を要する「ナレッジ」「パワーユーザー」向けとしては進歩していないと報告。しかし試行対象となった政府機関のデスクトップユーザーのうち、85〜90%は事務職員であり、基本的なワープロ、電子メール、表計算ツールがあれば仕事はできると指摘している。

 オープンソースソフトは機能の成熟に加えてハード面でもメリットがあり、プロプライエタリなアプリケーションが提供しているのと同じ機能を、それよりも低価格かつ低速のプロセッサで利用できると報告書は記している。

 OGCがデスクトップ製品について前向きに評価したことで、オープンソースへの傾倒がさらに強まる可能性もある。公共セクターは予算不足の場合も多く、プロプライエタリなソフトよりも低価格の代替製品を求めている場合もあるため、オープンソースへの注目が高まりつつある。

 ただ、OGCも手放しでお墨付きを与えているわけではない。ユーザーの移行と複雑なファイルの互換性は問題になるだろうと警鐘を鳴らしている。

 Microsoftはこの報告書に対して同日談話を発表。「どのような市場でも機会均等を図り、競争を促進させる」ことが政府の役割であるとは認識しているが、Microsoftのソフトがオープンソースアプリケーションよりも優れているという顧客の評判と、今回の報告書の結論とは「完全には一致しない」と述べている。

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