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IntelがMac miniや新型PS2ライクなコンセプトモデルを披露

» 2005年03月03日 11時55分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 Intelは一部地域(特に日本)からリクエストの強かった省電力プロセッサのデスクトップPCへの応用を決断した模様だ。Intel Developers Forum Spring 2005で、Intel副社長兼モバイルプラットフォームグループジェネラルマネージャのドナルド・マクドナルド氏が、Mac miniによく似たPCと、薄型の新型PlayStation 2にも似たディメンジョンのPCを紹介した。

 いずれも“このようなPCを作れるプロセッサ、チップセットなどを揃えていく”というコンセプトモデルではあるが、これまでPentium MのデスクトップPCへの応用に消極的だったIntelの方針転換が垣間見える。

 これまでも、外観デザインやサイズの小ささなどを重視したコンセプトPCが何度も登場し「世界初のPCファッションショー」と題した小イベントを基調講演中に行ったこともあるIntelだが、結局、それらのコンセプトPCは日の目を見ることはなかった。ひとつには同社が省電力・小型化よりも、高クロック・ハイパフォーマンス路線でデスクトップPCのマーケティングを行ってきたためだ。

 PCファッションショーを生み出した省電力かつ小型化に向いたTimnaプロセッサは、RDRAMのみにしか対応していなかったため、その後、世に出ることはなかった。

Mac miniライクなコンセプトPC Mac miniライクなコンセプトPC。フロントにはサブディスプレイも見える。これはノートPC用にIntelが提案していた、インフォメーション表示用のサブディスプレイを応用したものとみられる。リビング利用を想定してか、リモコンも添えられていた

 Mac miniライクなコンセプトPCは、銀色をベースにスロットインタイプの光学ドライブを採用。背面にはDVI-I端子や2つのUSBスロット、オーディオ出力、4ピンのIEEE1394ポートなどが配置されている。DC端子があったことから、電源には外付けのACアダプタを用いるとみられる。

Mac miniライクなコンセプトPCの背面 Mac miniライクなコンセプトPCの背面。持ち去られるところだったためピントがずれてしまった。背面コネクタもMac miniライク??

 Pentium Mの開発プロジェクトを率いたことでも知られるIntelのモバイルプラットフォームグループ副社長のMooly Eden氏は、日本のPCベンダーがノートPCの技術を応用し、様々な洗練されたデザインのデスクトップPCが登場する可能性があると話した。

 このコンセプトPCは現行のDothanプロセッサをベースにしたSonomaプラットフォームで作られているようだが、薄型のコンセプトPCは、デュアルコアのYonahをベースにしたNapaプラットフォームを利用することになる模様だ。Dothanのままで小型の流麗なデザインを持つPCというのも、十分に人気が出るだろうが、Yonahでデュアルコア化されれば、パーソナルなホームサーバなど様々な用途に使うユーザーが増えるだろう。

薄型PS2似のコンセプトPC 薄型PS2似のコンセプトPCは次世代のNapaプラットフォーム、薄型スロットインドライブやSDメモリカードスロットなどが見える

 元々、ノートPCに収めるために設計された省電力プロセッサを用いることで、様々な、これまでとは異なるコンセプトのPCが登場しそうだ。Intelが見せた製品が、Mac miniと似ていたのは偶然なのか、それとも真似をしたのか。それはともかく、デジタル家電で鎬を削る日本のベンダーとこのプラットフォームの組み合わせに期待するとともに、発売後にユーザーがどのように使いこなすかにも興味が湧くプラットフォームだ。

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