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WordPerfectめぐる訴訟、Novellの訴えが一部棄却

» 2005年06月14日 14時14分 公開
[IDG Japan]
IDG

 NovellがMicrosoftに対して起こした民事独禁法訴訟で、米地裁判事がNovellの申し立て4件を棄却した。ただし、Microsoftが独占的行為によりNovellの事業にダメージを与えたとするほかの2件については審理の続行が認められた。

 6月10日の判決で、メリーランド地区連邦地裁のフレデリック・モッズ判事は、Novellの2件の申し立てを棄却するよう求めたMicrosoftの訴えを退けた。これらの申し立ては「ワープロソフトのWordPerfectと表計算ソフトのQuattro Proを販売しようとするNovellの取り組みに、Microsoftが違法なやり方で打撃を与えた」というもの。モッズ判事は、MicrosoftがOS市場における独占力を不正に利用し、OEMに排他的な契約をさせたとの容疑に基づき、これら2件の申し立てを認めた。

 しかし同判事は、「Microsoftがワープロソフトと表計算ソフトの市場を独占した」とするほかの4件の申し立ては棄却した。Novellの訴訟の根拠となっている米司法省の対Microsoft独禁法訴訟で、このような容疑が主張されたことはないというのがその理由だ。司法省の訴訟は2002年11月に判事から和解承認を得て終了している。

 Novellは2004年11月、WordPerfect関連の独禁法訴訟を起こした。Netwareをめぐる独占禁止問題に関してMicrosoftと和解した数日後のことだった。Microsoftはこの和解でNovellに5億3600万ドルを支払うことに合意した。

 MicrosoftとNovellの広報担当からコメントは得られていない。

 Microsoftは、NovellはWordPerfectパッケージの権利を売却したため、同製品に関する損害賠償の請求は妥当ではないと主張したが、モッズ判事はその訴えを退けた。

 Novellは1994年にWordPerfect Corp.を吸収し、それと同時期にQuattro ProをBorlandから買収した。当時、両製品の価値は合わせて10億ドルを超えたとNovellは主張する。その後これら製品は1996年3月にCorelに1億7000万ドルで売却された。

 Microsoftはまた、NovellのプロダクティビティスイートはOS市場――司法省の訴訟で、Microsoftが独占していたことが証明された――で競争していたわけではないため、Novellの主張は正当ではないとも主張した。だがモッズ判事は、Microsoftは自社OSの独占力がほかのソフトに及ぼす影響を知っていたと示唆した。同判事は判決の中で、Microsoft Office部門の責任者ジェフ・レイクス氏が1997年に投資家のウォーレン・バフェット氏に送った次のような電子メールを引き合いに出した。

 「OS上に構築された重要な『主力製品』があれば、われわれはOSビジネスを守る『堀』を大きく広げられる。われわれはこれら製品からたくさんの収益を上げることを望んでいるが、もっと重要なのは、これらがPC当たりのWindowsのロイヤリティを守るはずだということだ。そしてこれらビジネスの成功は、将来価格決定権を握るチャンスを高めることにつながるだろう」

 この訴訟は後日、先の審理へと進む予定だ。

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