日本AMDは6月15日、先月発表した組み込み向け「AMD Geode LX 800@0.9Wプロセッサ」の説明会を開催した。
AMDはx86アーキテクチャベースのプラットフォームを、PCだけでなくハンドヘルド機器やデジタル家電、またネットワーク機器やストレージ機器など、広範な最終製品向けに提供していくという「x86 Everywhere」ビジョンを2003年以来掲げている。PCで実績のあるプラットフォームを用いることで、メーカーには開発コスト低減や開発・検証期間の短縮、エンドユーザーには多様なアプリケーションや堅牢なセキュリティが得られるというメリットをもたらすとしている。
Geode LX 800はGeodeプロセッサファミリーの最新の製品で、これまでで最高のワット当たり性能を持つという。0.13μmプロセスで製造されており、動作周波数500MHzでコア電圧は1.2V、DDRメモリコントローラや2Dグラフィックスプロセッサを内蔵、Windows XPを動作させた場合の平均消費電力は0.9Wという省電力プロセッサだ。USB 2.0やATAインタフェース、オーディオなどの機能を持つコンパニオンチップ「AMD Geode CS553」と合わせても2.1W程度で済む。
Geode LX 800にはビデオアクセラレーション機能はないが、外部のデコーダーを利用してHDTV映像をオーバーレイ表示する機能を備えており、HDディスプレイなどの画像機器用途としても想定されている。また、AES 128に対応する暗号化エンジンを内蔵しており、高度なセキュリティの要求にも対応できる。
Geode LX 800を搭載した評価用ボードを使って、Windows CE.NETを動作させ、Media Playerでビデオ画像を再生するデモンストレーションが披露された。Geode LXにはかなりの負荷がかかるデモということだったが、プロセッサにはヒートシンクもなく指で触っても少し暖かく感じる程度で、その低消費電力性能が実感できた。
現在、シンクライアント、IPセットトップボックス、産業用PC、壁面ディスプレイ、パーソナルビデオレコーダー、モバイル/マイクロPC、ルータ、タブレットPC、HDTV、キオスク端末という10のアプリケーション分野において、17の顧客企業が開発を進めているという。
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