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» 2005年11月04日 16時46分 UPDATE

「社内の掃除にすぎない」――Novellレイオフに顧客は冷静

全社員の1割を超える600人をレイオフするNovellの組織再編に、一部顧客は不安を感じているが、「社内の掃除にすぎない」との冷静な意見も。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 Novellは今週、600人のレイオフを発表し、社内の人材を新社長に昇格させ、Linuxを含む3つの基本市場セグメントへの集中を決定することで大規模な再編に踏み出した。

 同社の以前からの顧客はこのニュースを冷静に受け止めている。同社顧客10社に取材したところ、数社はNovell SUSE Linuxの市場シェアがもっと大きかったら良かったと語った。また、つきあいがあってよく知っている営業部隊や開発者がレイオフで打撃を受けることを心配している顧客もあった。

 しかし、これら顧客はいずれも、Novell製品、同社全体、そして同社のLinux戦略を支持し続けると語った。「レイオフがあっても、大きな変化はないと思う。同社はそれでも最高の製品を投入してきた」と米ジョンソン郡コミュニティーカレッジで上級サポートアナリストを勤めるブラッド・スタップ氏。同氏は何年も前からNovellの中核開発グループとともに同社製品のβテストに参加しており、このグループが残留することを望んでいると語った。

 今回のレイオフは、Novellの全社員5800人の10%以上に影響する。これは年間1億1000万ドル以上の費用削減につながる大規模再編の一環だとNovellのジャック・メスマンCEO(最高経営責任者)は話す。同氏はこのレイオフを、Linuxおよびオープンソース製品、ID管理製品、リソース管理製品における成長分野にフォーカスするための再編の一環だと述べた。

 またNovellはロン・ホブセピアン氏を社長兼COO(最高執行責任者)に昇格させ、製品開発、マーケティング、販売、サービスに対する直接の責任を与えた。同氏は2003年6月にNovellに入社し、最近はグローバルセールス・サービス担当社長を務めていた。

 「ホブセピアン氏は北米の営業部隊を監督してきた。メスマン氏が年を取ってきているため、ホブセピアン氏ほどの人物を(後継者候補に)置くのはNovellにとって良いことだ」と米East Cobb Groupのジェームズ・テイラー社長は話す。同社は30社以上の顧客を持つNovell製品のインテグレータ。

 テイラー氏は、「レイオフは、特に優れた営業担当者を失うことを心配するわたしの顧客にとって常に懸念材料となる」とNovell顧客の見解に同意した。

 「今回のレイオフの話を聞いて当惑しているが、これは社内の掃除にすぎない。それに同社の財務状態が回復すれば、スタッフを雇い入れるだろう」と米Boscov's Department Storesでテクニカルサポートマネジャーを務めるジョー・プール氏。同社は、Novellが2004年にSUSE Linuxを買収する前から、データセンターとデスクトップにSUSE Linuxを使っている。買収以後、同社のLinuxサポートは「複雑になった」と同氏。アップグレードをNovellから直接にではなく、Novellのビジネスパートナーを通じて購入しなければならないからだ。「だが、これはNovellに対する唯一の不満だ」と同氏は言う。

 「全体としては、Novellには長い間強く健全でいてもらいたい」とプール氏は語り、Boscov'sは来年、ID管理ソフトへの投資についてNovellと交渉を開始したい考えだと述べた。

 今後もLinuxに重点を置くというNovellの決定は、一部の顧客に安心をもたらした。その中の1人、ネブラスカ州リンカーンのディレクトリサービスディレクター、スティーブ・ハートマン氏は「(NovellのLinuxの)安定性とパフォーマンスには非常に満足している」と語り、「これらがもう少しLinux市場でシェアを持っていれば」良いのだがと付け加えた。

 Red Hat LinuxはLinux売上の大部分を占めており、2004年には市場の約3分の2を占めていた(Credit Suisse Bank Boston調べ)。これに対しNovell SUSE Linuxのシェアは約20%だった。

 それでもSUSEは幾らかシェアを伸ばしており、これはNovellにとって良いことだと米大手金融サービス会社でネットワーク事業担当副社長を務めるロディ・バン・クリーブ氏。この会社は、SUSE Linuxが多数の金融アプリケーションを処理できるかどうかをテスト中だ。

 ホブセピアン氏は今週、Open Source Business Conference Eastで、NovellはSUSE Linuxを改善し、対応アプリケーションを買収当時の42種類から1000種類以上に拡大したと述べた。しかし同氏は、Linuxがすべてのビジネス問題を解決できるわけではないことをNovellは理解しているとも語った。一般的に、データセンターにおけるLinuxの採用は、顧客がインテグレータとして「やる仕事が多すぎる」ために「減速」しているという。

 Novellの再編計画は、GroupWiseやNetWareなどの製品やサービスはどうなるのかという疑問を引き起こしているとGartnerのアナリスト、ジョン・エンク氏は指摘する。同氏はNovellの担当者から、同社はNetWareなどへのコミットを続けると聞いたという。「だがわたしの中には、(Novellが)NetWareからLinuxカーネル版NetWare(Open Enterprise Serverとも呼ばれる)に走るだろうという確信がある」と同氏は語り、NetWare顧客に5年以内にLinuxカーネル版に移行する準備をするようアドバイスしている。

 Novell関係者はエンク氏に対し、同社はGroupWiseに関しては、少なくともあと2つのバージョンに取り組み、サポートは今後10年続けると語った。同氏は、NovellはGroupWiseのLinuxプラットフォームへの移行を加速させるだろうと予測している。

 もう1つNovellにとって重要なのは、広範なプロフェッショナルサービスをの削減だとエンク氏。同社は自社の製品に近いコンサルティングの提供に集中すると同氏は予測する。

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