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ガラス表面にナノレベルの微細加工 オリンパスら開発

» 2005年11月04日 18時03分 公開
[ITmedia]

 オリンパスと日本板硝子は11月4日、ガラス表面にナノメートルレベルの凹凸などを直接形成する微細加工技術を世界で初めて開発したと発表した。従来よりも安価にでき、多品種少量生産にも向くという。電子デバイス製造に使うナノインプリント用途などで2年後の製品化を目指す。

photo 試作したマイクロセル。セルサイズは120(縦)×120(横)×10(高さ)μメートル、線幅は10μメートル

 構造体を形成したい部分に、加工工具「圧子」を使って局所的な高圧を加え、圧縮層を作る。これをフッ化水素酸系の水溶液でエッチングすると、圧縮層が残る──という仕組み。圧子のサイズとエッチング量により、ナノメートルからμメートルオーダーで自由に加工できるという。

 ガラス表面に微細加工を施す場合、従来技術では半導体製造技術のフォトリソグラフィー法を応用していた。新技術はフォトマスクや半導体製造プロセスが不要なため、低コストで多品種少量生産が可能になるという。

 今後、ナノインプリントやプラスチック成型用の型、光学部品、バイオチップなどのサンプル供給を行い、応用分野の検討を進める。

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