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グリッド技術で大容量コンテンツを安定配信

» 2005年12月13日 15時16分 公開
[ITmedia]

 ブラザー工業は、産業技術総合研究所などと共同で、グリッド技術を応用したコンテンツ配信システム「CDGシステム」を開発した。ネット接続した家電やPCにコンテンツを分散保存し、リクエストに応じて配信する。配信サーバ不要で、ゲームや音楽・映像など大容量コンテンツを低コストで安定的に配信できるとしている。

 ネットワーク内の各端末が、アクセス頻度に応じてコンテンツをキャッシュに最適配置する。ダウンロード時は、ネットワーク上で最も近い端末からコンテンツを取り出す仕組みだ。CPUやメモリも共有し、システム全体の負荷を自律的に均等分担できるという。

 従来のサーバ−クライアント型配信システムは、ユーザーが増えるほど負荷が増大したが、CDGならユーザー増に応じてキャッシュ容量やリソースが増えるため、安定的に運用できるとしている。

 DRMや電子認証システムを組み込んだり、コンテンツを暗号化・分割保存する独自技術を加えるなどして、著作権保護に気を配った。

 ブラザー、産総研、早稲田大学と、ブラザーの子会社で通信カラオケコンテンツ配信を行っているエクシングが共同で開発した。事業化はブラザーが行うが、時期は未定。

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