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「違法・有害」情報の一元的通報窓口「ホットラインセンター」

» 2006年06月01日 18時48分 公開
[ITmedia]

 財団法人インターネット協会(理事長:金杉明信NEC副会長)は6月1日、インターネット上の「違法・有害情報」の通報を一元的に受け付ける窓口「インターネット・ホットラインセンター」の運用を始めた。

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 インターネット上の情報について、通報を受け付ける統一窓口となるWebサイトを開設。受け付けた情報について、ガイドラインに従って「違法・有害情報」と判断した場合、関係機関への情報提供や対応依頼を行う。

 具体的には、麻薬販売情報や自殺予告など、違法情報や人命にかかわる情報を警察に提供するほか、ISPや掲示板の管理者に対しては、該当情報の削除など、送信防止措置を依頼する。

 海外に設置されたサーバで公開されている情報に対しても、警察による外国当局への削除依頼を補完する形で、INHOPE(Internet Hotline Providers in Europe Association)を通じた依頼を行うことも検討する。

 通報内容は、まず分析担当者が発信元などについて調査した後、複数の弁護士で構成する法律アドバイザーが違法・有害情報かどうかを判断する。

 一般のユーザーが警察に通報する際は氏名などを明らかにする必要があるが、同センターは匿名でも受け付けるのが特徴。匿名であっても対応状況を後で確認できる仕組みも導入した。

 警察庁の2005年度「総合セキュリティ対策会議」で一元的ホットラインの導入が提言されたのに対応し、同協会が総務省と警察庁の協力を受け、有識者や関係業界の代表者で構成される設立準備会が4月に発足し、ガイドライン案を検討してきた。

「運用ガイドライン」は修正

 違法・有害情報を判断する基準とするホットライン運用ガイドラインは、案を公開してパブリックコメントを4月から5月にかけて募集。寄せられた意見をもとに5月31日付けで修正した。

 修正箇所は「児童ポルノ公然陳列」の判断基準について。注釈として「『児童ポルノ』とは、児童ポルノ法第2条の定義と同じく、実在する児童の姿態を描写したものであり、『実在しない児童』を描写したものについては、児童ポルノには該当しない」とした。

 修正前の案では、児童ポルノ法が処罰の対象とはしていない漫画やイラストなども「違法情報」に含まれると解釈されかねない、として漫画同人作家などが反発していた。

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