夏はAMDとIntelの正念場(2/2 ページ)
PC市場の減速
例えば、価格低下により、PCメーカーはデュアルコアプロセッサ搭載のデスクトップPCを500~600ドルで提供できるようになった。
だが、IntelとAMDは、多くのアナリストが指摘するPC市場の減速に直面しており、経済環境や競争環境から見て必要と判断しない限り、近いうちに再び大幅に価格を見直すことはなさそうだ。
マカロン氏は、今のところ、価格を維持する理由の方が多いと語る。
IntelがCore 2 Duoを大幅に値下げしたとしたら、AMDに打撃を与える可能性よりも、Intel自身の売り上げにマイナスの影響が出る恐れの方が大きいと同氏は指摘する。
一般に、Intelの方がプロセッサの平均販売価格(ASP)が高額だ。マカロン氏によると、AMDの第2四半期のASPは100ドル未満だった。
これまでIntelは、競合他社のプロセッサ値下げ計画をくじくほど大胆な値下げをたびたび実施するなど、価格を利用して自社プロセッサの需要喚起を図ってきた。
だが、「現在のAMDは、価格のような特定の1つの手段だけで市場から追い出すのは困難なほど、規模的に大きな相手だ」とマカロン氏。「両社とも、価格戦争を戦うとなると、多くの売り上げを失ってしまう」
一方、PCメーカーの間では、AMDへの支持が拡大している。例えば、Lenovoは8月第2週に、AMDのデスクトップPC向けプロセッサを採用した新しいThinkCentre A60を、大企業向けに発売する予定だ。
AMDのOpteronベースのサーバを提供することを表明しているDellも、Hewlett-Packard(HP)に対抗してAMDベースPCを投入する見通しだと報じられている。
PCメーカーは、「AMD製品には強力なメリットがあると考えている」とマカロン氏。「今、AMDとIntelの間では、おそらくわれわれが10年以上も目にしたことがなかったような、がっぷり四つの戦いが展開されている」
このため、プロセッサ価格のような要素よりもマクロ経済的な要因に左右される市場環境が、第3四半期の動向を占うものになりそうだ。
新学期商戦を含む第3四半期は、一般に第2四半期よりも活況を呈す。新型プロセッサの登場に需要の上昇が重なれば、第2四半期とはまったく異なる環境になる可能性がある。
AMDとIntelはいずれも第3四半期に市場シェアを拡大できる余地がある。このことは、通常は1~2%の市場シェアにとどまるVIA Technologiesの動きに関連している。VIAは2006年第2四半期に、前年同期の1.4%から5.5%にシェアを伸ばした。
だがこれは、Intelとの技術ライセンス契約が4月末に終了するのを前に、VIAが古いC3プロセッサを顧客に大量に販売したためだ。
このため、第3四半期には、プロセッサ数百万個に当たる4%程度の市場シェアが、AMDとIntelの争奪の対象になる。
第3四半期には新型プロセッサの投入が進められており、若干古いデュアルコアプロセッサを採用した安価なデスクトップPCとノートPCが提供されるようになるほか、販売がより容易になる可能性もあることから、両社の平均販売価格は上昇するかもしれないとマカロン氏は見る。
「だが、それとは別に懸念されるのは、市場が鈍化していることを示す材料が多数見られることだ。第2四半期は例年よりも低調だったが、それに伴う在庫の問題はまだくすぶっており、マクロ経済指標も明るいものとは程遠い」とマカロン氏。
「両社は強力な製品を投入しつつあり、魅力的な価格を打ち出している。だが、そうした動きをよそに、難しい市場環境になっていくのかもしれない」
そうなれば、打撃を受けるのはIntelやAMDだけにとどまらない可能性がある。
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