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NTTデータ社員PCからWinnyで情報流出 理研の遺伝子データも

» 2006年09月13日 19時17分 公開
[ITmedia]

 NTTデータは9月13日、社員の自宅PCからWinnyを通じて個人情報などが流出したと発表した。社内外の172人分の連絡先や、理化学研究所との共同研究に関連する患者144人分の疾患関連SNP(一塩基多型)データなどが含まれていた。

 NTTデータによると、流出したのは社外146人と社員26人の自宅連絡先や、社外との複数の共同研究プロジェクトの技術資料計431件。

 理研によると、うち業務情報100ファイルが理研に関連し、開発中のプログラムとシステム構成に関する情報とSNP集計データ、特定集団のSNP相関解析データが含まれていた。理研は「遺伝子情報と個人情報を特定できないよう匿名化する仕組みを構築しており、データに個人名などが直接明記されているわけではない」としている。

 流出元の社員は理研の遺伝子多型センターで2003年10月から今年3月までほぼ常駐して共同研究に参加していた。自宅作業のためデータを小型ストレージに記録して持ち帰り、WinnyをインストールしたPCに保存。その後Winnyウイルスに感染し、情報が流出した。

 NTTデータは情報流出を防止するため、USBメモリなどの使用を制限するシステムの全社導入や私物PCの業務利用の禁止などの対策を実施してきたが、「にもかかわらず本件のような事態を引き起こしたことを厳粛に受け止める」として情報管理をさらに徹底するという。

 理研は流出元社員の行動について、「理研の情報セキュリティに関する定めに違反していたこと、共同研究契約書の機密保持契約に違反していたことが認められる」としている。

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