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国内のオンライン詐欺被害額は推定1300億円超に――BBA

» 2006年09月27日 12時59分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ブロードバンド推進協議会(BBA)によると、インターネット利用者の4.7%は、オークション詐欺やワンクリック詐欺、フィッシング詐欺など何らかのオンライン詐欺に遭っている。延べ被害額は、推定1304億円に上るという。

 この数字は、BBAが7月に二度にわたって実施した調査によって明らかになったもの。一次調査では、一般ユーザーを対象にオンライン詐欺の認知や被害経験、対策などについてアンケートを実施。二次調査では、実際にオンライン詐欺の被害に遭った経験を持つユーザーに絞り、被害回数や金額、被害後の対応について尋ねた。有効回答数はそれぞれ1140通、479通。

 調査によると、インターネットユーザーの4.7%が「自分」もしくは「知人」がオンライン詐欺の被害を経験していると回答した。被害経験者に尋ねたところ、最も多いのはオークション詐欺で46.1%。次いでワンクリック詐欺が28.9%となっている。

 ワンクリック詐欺の被害状況を年代別に見ると、15〜19歳代の被害が59.5%と突出して多かった。また被害金額を見ると、30歳代はたとえ詐欺サイトに引っかかっても72.4%が金銭の支払いを行っていなかったのに対し、60歳代以上では半数以上が何らかの支払いを行っていた。

 この結果を踏まえ、BBAでセキュリティ専門部会部会長を務める野々下幸治氏は、「(詐欺に対する)認知度によって差が出ているのではないか」と指摘する。

「まずは認知度を高めることが大事」と述べたBBAのセキュリティ専門部会部会長、野々下幸治氏

 「ワンクリック詐欺は、自分から支払わなければ被害は生じない。知っていればみすみす支払う必要のない詐欺に対し、これだけ被害が生じているのは驚くべきこと。やはり、詐欺に対する認知を高め、知ってもらうことが重要だ」(野々下氏)

 またオークション詐欺を除けば、オンライン詐欺の被害額は3万円以下と比較的少額であることにも注意が必要という。「多くの方、特に年齢が高い方は勉強代ということであきらめ、泣き寝入りするケースが多い」(野々下氏)

 野々下氏は、「オンライン詐欺は、いわゆる振り込め詐欺と同じで、知られるようになれば被害は減ってくるだろう。まず、普通のユーザーに『こういった詐欺が存在する』ということを認知していただくことが対策の第一歩」と述べ、その上で、パッチの適用やウイルス/スパイウェア対策ソフトの導入といった技術的対策を重ねていくべきとしている。

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