BCNは9月28日、PC、薄型テレビ、DVDレコーダー、デジタルカメラ、DVカメラ、プリンタに関して、国内市場の年末商戦予測を発表した。
PC市場は、インテルが投入した新プロセッサ・Core 2 Duoがけん引し、低迷を脱しそうな勢い。薄型テレビは価格下落に歯止めがかかり、好調を継続する。DVDレコーダーはテレビとのリンク機能を備えた新型機が人気だが、次世代光ディスク待ちで本格回復はしばらく先になりそう。デジタルカメラは一眼レフが急速に伸び、市場全体をけん引する。プリンタはデジカメの好調の影響で伸びる見込み。DVカメラは低迷が続くと予測している。
※記事中で9月単月の販売実績は、9月1日〜20日までの累計
PCの販売台数の前年同月比伸び率は、デスクトップ・ノートとも今年2月以降マイナスが続いていたが、8月に底を打ち、回復基調に入っている。同社取締役の田中繁廣氏は「Windows Vistaがいつ出るか分からない状況の中販売台数を戻しており、回復基調に入ったと言える」とし、年内に、前年比90%まで戻し、来年のVista発売後はプラスに転じると見る。
回復をけん引しているのはCore 2 Duoだ。CPU単体(自作PC向け)の販売数・金額は、7月までは前年同月比マイナスで推移していたが、Core 2 Duo発売後の8月から台数で同19.3%増、金額で同28.8%増と一気にプラスに転じた。単体マザーボードも、8月にマイナスからプラスに急転し、自作PC市場はVistaに先んじて回復する見込みだ。
薄型テレビは、サッカー・ワールドカップ商戦の低迷による在庫調整がほぼ収束。各社が投入した新モデルが9月から立ち上がり始めており、価格下落に歯止めがかかりそう。金額ベースでは、この年末は前年比25%増前後で推移すると見ている。
液晶とプラズマの販売台数比は約9:1で、プラズマが徐々にシェアを上げてきている。需要の中心は32−37型だ。液晶は大型化が足踏み状態という。30型台と40型台の価格差が10万円程度とプラズマの倍程度の価格差があり、40型以上へのシフトが進んでいない。
メーカー別では、液晶はシャープが約50%を占めトップ。2位以下はソニー、東芝と続く。プラズマは松下電器産業が70%前後を占め、2位は日立、3位はパイオニア。
DVDレコーダーはワールドカップ商戦以降大きく落ち込み、販売台数・金額とも前年同期比80%前後で推移していたが、9月に入って「ビエラリンク」「AQUOSリンク」など薄型テレビと連携する新製品が登場。金額は同96.1%、台数は同88.4まで戻している。ただ本格的な回復は次世代光ディスクの普及待ちとなる見込みだ。
メーカー別シェアは松下電器産業、シャープ、ソニーと、薄型テレビで強いメーカーが上位を占めている。
デジカメ市場は、キヤノン「EOS Kiss Digital X」発売で、9月は台数・金額ともに前年同月比70%増という高成長を記録。一眼レフに引っ張られる形でコンパクトも前年同期並みの水準に戻した。年末商戦は一眼レフで前年比30%増、デジカメ全体でも同10%増を見込む。
台数シェアは、一眼レフがキヤノン、ニコン、ソニーの順。キヤノン、ニコンは銀塩カメラからの乗り換えユーザーが下支えしているといい、この2社の上位は当面続くと見ている。
コンパクトは、この3社に加えてカシオ、松下、富士フイルムがシェアを争っている。
デジカメの好調がインクジェットプリンタの回復を後押しし、需要は5月を底に回復の兆し。旧モデルの在庫処分で、9月の販売台数は前年比95.3%まで戻した。年末商戦は買い換え需要で、プラス成長が期待できるとしている。メーカー別シェアは、キヤノンとエプソンがそれぞれ4割以上を占め、競っている状態だ。
DVカメラは、HD画像対応機や、8インチDVD、HDDに録画できるモデルなど話題は豊富だが、実需に結びついていない。9月の速報値は台数・金額ともに前年より30%を超えるマイナス。需要回復のきっかけをつかみ切れていない。
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