「Google八分、知ってますか?」――薄型テレビや次世代光ディスクが注目を浴びるCEATEC(千葉県幕張メッセ、10月7日まで)会場の一角で、眞鍋かをりさんのこんな声が繰り返し響いている。国産の検索エンジンを開発する経済産業省の研究会から生まれた産学連携プロジェクト「情報大航海プロジェクト」のブースだ。
情報大航海プロジェクトは、検索エンジンがGoogleなど米国企業に独占されている状況を打開し、日本発の次世代検索技術を研究・開発する狙いで発足した。経産省は来年度の概算要求に50億円を計上。資金面でも支援していく計画だ。
同プロジェクトのコンソーシアムには企業や大学など56団体が参加しており、CEATECでは、大手電機企業と同じぐらい広いブースに、富士通やソフトバンクBB、シャープ、東京大学や早稲田大学など10団体が技術を展示している。
ブース内の常設ディスプレイとステージのスクリーンでは、眞鍋かをりさんがプロジェクトを紹介するビデオが繰り返し流れ、国産の検索技術開発の重要性を訴える。
同ビデオではまず、Googleの検索結果から特定のWebサイトが表示されなくなる「Google八分」を紹介。中国政府が検閲対象とした情報や、国内の告発サイトがそれぞれGoogle八分にあったと語り、「検索結果が海外の特定企業に決められることがどれだけ怖いか分かるだろうか」と訴える。
さらに、国策で検索エンジン開発を決めたというフランスの事例を紹介しつつ、「情報大航海プロジェクトはフランスの後追いでもGoogle対抗ではない」と語り、画像や映像検索など、これまでになかった新しい検索エンジンを国内で開発し、生活を豊かにする、と意気込む。
ブース内では、画像の特徴をマッチングして似た画像や映像を並べたり検索できる技術(富士通)や、Web検索を活用して著作権のあるコンテンツを探し出し、効率よく著作権違反サイトを見つけ出す技術(早稲田大学)、ネットワーク分析技術を使い、関連するブログを見つけ出すシステム(ソフトバンクBB)などがデモ展示されていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR