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Lemelson-MIT賞受賞は爆弾を「嗅ぎつける」技術

» 2007年04月04日 07時41分 公開
[ITmedia]
ティモシー・スウェイガー博士

 マサチューセッツ工科大学(MIT)は4月2日、Lemelson-MIT賞の2007年受賞者がティモシー・スウェイガー博士に決定したと発表した。スウェイガー博士には賞金50万ドルが授与される。Lemelson-MITプログラムは1994年に創設、その年最高の発明をした科学者に、Lemelson-MIT賞を与えている。

 スウェイガー博士は数多くの発明をしているが、特に高く評価されたのが、一般に爆発物に用いられる、芳香族ニトロ分子に反応する増幅蛍光ポリマーの開発。博士は2001年、特許を取得したポリマー技術を、Nomadics(現ICx Technologies)にライセンス供与。同技術は爆発物探知機「Fido Explosives Detector」に使用された。現在、イラクに派遣された米軍が、Fidoを利用している。イラクだけでなく、Fidoは米国内でも使用されている。スウェイガー博士は、空港や建物のセキュリティへの活用も可能だと考えているという。

 また博士は分子ワイヤセンサー技術を開発。環境汚染から初期段階のガン細胞発見に至る、様々な分野で採用されている。そのほかにもレーザーセンサー、アルツハイマー病のスクリーニングや診断の簡易化を可能にすることが期待される近赤外線光イメージング技術、半導体と液晶ディスプレイ製造効率を上げる分子など、数多くの技術を発明している。

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