ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

EFF、オンラインビデオによる表現の自由を守るガイドラインを提案

» 2007年11月02日 08時42分 公開
[ITmedia]

 電子フロンティア財団(EFF)は10月31日、大学など公共利益団体と協力し、オンラインビデオに関し、著作権を保護しつつ表現の自由を維持するための、6つのガイドラインからなる「Fair Use Principles」を発表した。

 Fair Use(公正使用)とは、著作権のある作品に関して、公正な目的があれば、その作品を許可なく利用することを認めるという概念。EFFによると、公正使用は誤解されるケースが多いという。YouTubeなどのビデオ共有サイトに投稿された公正使用の範囲内の作品が、コンテンツの著作権保有者からの要請で削除されることがあるが、これが表現の自由の侵害にあたる場合があるとしている。ビデオ共有サイトが導入しようとしている自動コンテンツフィルターは、こうした作品を今後も削除する可能性が高いとして、サービスプロバイダーと著作権保有者に対し、公正使用を守るためのガイドラインを提示した。

 EFFが提示するガイドラインは次の通り。

  1. 批評や報道目的、パロディー作品など、公正使用は幅広いという認識の下、著作権保有者は安易な法的警告を控える
  2. フィルタリングを行う(自動削除を避けるか十分な検証が可能なフィルターを設置する、フィルターより人間の意見を重視する、など)
  3. 米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)のノーティス・アンド・テークダウン手続き(著作権侵害に当たらない場合の保護手続きを含む)なしに削除を行わない
  4. DMCAの手続きに従うものであることを当該ユーザーに通知してから削除する
  5. サービスプロバイダーは、著作権侵害の通知先ユーザーからの反論を受け付ける窓口を設ける
  6. 著作権侵害によるコンテンツ削除の訴えが撤回された場合のコンテンツ復帰プロセスの確立

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.