Twitter専業の別会社「Twitter」を立ち上げ、資金も調達した。Odeoの教訓をいかし「まずはユーザー体験を改善し、サービス価値を高めることに注力している」という。
「Odeoは複雑だったが、Twitterはシンプルなサービスに徹した。リアルタイムの情報を伝えられ、人と人とのつながりがあるのが特徴だ」
Ruby On Railsを活用し、最初のバージョンは2週間で開発。「小さなものから作って改善していくのがWeb2.0的なやり方。Railsなら、1日に複数のサービスを作ることもできるし、リリースした後にまたやり直すこともできる」
オライリー氏はTwitterに、「Web2.0時代の人間関係」を見いだす。「Twitterは“友人”の概念を変えたかも知れない。これまでは、職場などで日々会う人が友人だったが、Twitterならあまり会わない人の生活をトラックできる」
「そう、あまり会わない人なのに、その日の朝ご飯とか、生活のささいな部分まで知ることが出来る。セレブでもない限り公開されなかった人々の細かな日常が、Twitterに公開されている」(ウィリアムス氏)
Twitterの使われ方は多様だ。テーマを決めて記録ツールにしている人もいれば、仲間との連絡に使う人、ビジネス関連の告知をする人など――初めてTwitterを見た人は「いったい何に、どう使うんだ」と疑問に思うかもしれなが、「ブログや他のアプリのように、ユーザーが使い方を考えてくれる」(ウィリアムス氏)
例えば、特定ユーザーの書き込みに返答する「@記法」のもととなった機能は、ユーザーが開発したという。「この機能によって、当初想像していたよりも多くの対話が生まれた。サービスの利用範囲を決めるのは難しが、あくまでオープンに作り、ユーザーを制約しないのがいいと思う」(ウィリアムス氏)
APIを活用したサービスも広がっている。「API公開がここまでうまくいくとは、正直、驚いている。日本語クライアントを作ってもらったことで、たくさんの日本のユーザーにも使ってもらえている」
現在、全ユーザーのうち約20%が日本人という。「今後は、ローカライズを最優先していきたい」
「Twitterは資金が潤沢でユーザーも増えているが、収益モデルがない。ぜいたくなサービスだ」――オライリー氏がそうからかうと、ウィリアムス氏は「そろそろビジネス化を考えている」と返す。
「Twitterは商用にも使われていて、Twitterを通じて家電を売っている販売店もあれば、セールの告知に使っている企業もある。そんな企業からは一定程度のお金をもらうべきなのかもしれない」(ウィリアムス氏)
Web2.0時代のサービスのよしあしはユーザーが決める、と2人は同意する。「失敗してもいいという気持ちで作り、気に入ってもらえなければ別のサービスを作ればいい。『これしかない』と突き進むのはWeb1.0的。経験から学んでいくことが重要だろう」(ウィリアムス氏)
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