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日米最大のオークションが“1つ”に かつてのライバル・ヤフオクとeBayが提携

» 2007年12月04日 18時16分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 ヤフー井上雅博社長と米eBay Internationalのローリー・ノリントン社長

 ヤフーと米eBayは12月4日、「Yahoo!オークション」と「eBay」に出品された商品について、お互いのサイトから入札・落札できる仕組みを2008年までに構築すると発表した。日本最大の「ヤフオク」ユーザーは、米国最大のeBayにもシームレスにアクセスして落札可能に。双方のユーザーは、日米最大のオークションを合わせた巨大な“1つ”の市場として利用できるようになる。

 eBayは1999年に日本に進出。ネットオークション事業を展開したが、2002年に撤退。それから5年半後、かつてのライバルだったヤフオクと手を組み、アジア戦略の要としての日本に事実上の再参入を果たす。

eBay商品落札できる「セカイモン」をまずオープン

画像 セカイモン。「海外ブランドのサングラスやゴルフクラブなど日米で価格差のある商品や、日本未発売の商品を日本語で気軽に購入できる」(ネットプライスドットコムの佐藤輝英社長)

 まずは同日、日本からeBayの商品を落札できる購買代行サイト「セカイモン」をオープンした。eBayの商品情報APIを活用して構築し、Yahoo!IDでログインできる。商品情報は日本語に自動翻訳されており、日本語で検索・落札できる。

 落札した商品は米国内のセカイモン倉庫に贈られ、その後落札者の元に届く。送料は重さによって異なるが、2000〜3000円程度で、商品価格の15%の手数料が別途必要。1〜2週間で届くという。運営は、ネットプライスドットコム子会社・ショップエアラインに委託した。

 08年3月までに、ヤフオク内にもeBayの商品が購入できる代行サービスを設置する。セカイモンと同様の仕組みで、ヤフオクからシームレスにeBayの商品を直接入札・落札できるようにする。

 eBay内にも、ヤフオク商品を購入できるサイトを08年中にオープンする計画。「来年のクリスマスシーズンくらいまでに開設できれば」(井上社長)

「日米以外でも展開したい」と井上社長

 国内からは撤退したとはいえ、ネットオークション世界最大手のeBayを利用する日本のユーザーは多く、服飾品では1分間に680以上、楽器・音楽関連では1分間に1つの商品が日本から購入されているという。ヤフーの井上雅博社長は「潜在的な市場は大きい」と期待する。

 eBay International(eBayの海外事業戦略・マーケティング事業会社)のローリー・ノリントン社長も「今はアジア、特に日本をビジネスチャンスととらえている。一番の戦略は強いパートナーと組むこと。eBayは香港やシンガポールなどでもオークションを展開しているが、日本での規模は今までで最大級になるだろう」と意気込みを語った。

 ヤフーは今後、米国以外でもオークションの連動を検討する。井上社長は「日米でうまくいけば、ほかの国でも成功するだろう。国際的な取引の不便さを軽減し、国際的なBtoC、CtoCの市場を作り上げたい」と述べた。

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