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米Yahoo!、買収問題で株主に書簡――株主訴訟の動きも

» 2008年02月14日 14時24分 公開
[ITmedia]

 米Yahoo!が株主に対し、Microsoftからの買収提案や戦略について説明する書簡を送付した。

 同社はこの書簡で、Microsoftの買収提案を拒否したことについて、「過小評価であり、株主の最大の利益にならないと確信している」と改めて述べた。同社のブランドや利用者、広告主との関係、技術、日本や中国(Yahoo! JAPANとAlibaba)への投資などを重要な資産として挙げ、同社には大きな市場機会があり、それを生かせると強調している。

 また戦略については、「当社の取締役会は業界環境が急速に変化する中で戦略的選択肢を絶えず検討しており、株主価値を最大にすることを追求している」としている。戦略的な重点として、「ポータル」「広告」を挙げ、前者に関しては、ポータルへのアクセスを向こう数年間、年率15%のペースで増やすことを目指し、優れたモバイルサービスにも取り組むとしている。

 広告に関しては、広告主と消費者を結びつける新たな方法に取り組んでいるという。昨年の広告プラットフォーム「Panama」の立ち上げ、Right MediaおよびBlueLithiumの買収、検索広告とディスプレイ広告の営業部隊の統合などにより広告事業を強化し、2007年に推定15%だったオンライン広告市場のシェアを、今後数年で20%に拡大することを目指すとしている。

 しかし、Yahoo!がMicrosoftの買収提案を拒否したことを不服とする株主もおり、既に訴訟を起こしている。米各紙報道によると、Yahoo!株およそ1万3600株を保有する年金基金Wayne County Employee's Retirement System of Michiganは、Yahoo!がMicrosoftの提案を拒否したと発表した直後に同社を提訴した。Yahoo!は株主への義務を果たしていないとして、Microsoftの提案を検討するよう求めているという。その前にも、法律事務所Byrne & NixonとBarrett, Johnston & Parsleyが株主代表訴訟を起こし、Yahoo!が昨年Microsoftの買収提案を拒否したことは、株主の利益にかなっていないと申し立てたと報じられている。

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