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Google検索広告クリック数の減少は「広告の質向上の成果」?

» 2008年03月01日 08時18分 公開
[ITmedia]

 米Googleの検索広告クリック数が減少しているとのデータが反響を呼ぶ中、このデータを発表した米調査会社のcomScoreが2月29日、「データは必ずしも景気低迷を意味しない」とする分析を公式ブログで明らかにした。

 comScoreが先に発表した調査報告によると、米国の消費者が、Googleの検索結果に表示される広告をクリックした回数は、2008年1月に前月比で7%減少した。一方、Googleの検索クエリー件数自体は前月比で9%増加しているため、クエリー件数当たりの広告クリック回数は、前月から大幅に減少していることになる。

 このため、米国の景気後退のオンライン広告市場への影響や、Googleの業績見通しの悪化などが懸念されていたが、comScoreは、データがこうした懸念を「直接裏付けるものではない」と釘を刺すと同時に、「Googleの品質向上が広告クリック数の減少につながった可能性もある」と指摘する。

 comScoreが行った分析によると、クリック数の減少は、「Google検索クエリー全体に占める、検索広告表示ページ数の比率(広告カバレージ比率)」の減少と、「検索広告当たりの平均クリック数」の減少の両方によるもの。前者は12月から1月にかけ、52%から48%へと8%減少しており、後者も0.24回から0.22回へと同様に8%減少している。comScoreは、同様の現象は景気後退が見られる以前の2007年2007年1月から5月にかけても起こっていること、この期間、クリック数の減少を広告クリック単価の上昇が補う形となり、Googleは2007年、検索による売上高をワールドワイドで68%伸ばしたことを指摘し、データを景気後退の影響やGoogleの業績悪化と直接結び付けることに疑問を呈している。

 comScoreはまた、効果の薄い(非アクティブな)広告の削減や広告掲載スポットの削減など、Googleが行っている広告品質の向上のための取り組みが、広告クリックの絶対数の減少を招く一方で、広告単価の上昇に貢献していると説明。クリック数の減少が、必ずしもGoogleの業績悪化につながるとは限らないとしている。また、クリック数減少の理由としては、広告の質が向上すれば、ユーザーが欲しい広告を見つけるまで何度もクリックする必要がなくなるためとの見方も示した。また、景気後退で消費者の製品や広告への興味が減少していることが、クリック数の減少を招いたのではないかという懸念については、Google以外の検索エンジンでは、検索広告当たりの平均クリック数はむしろ0.5%上昇していることを指摘し、否定している。

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