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「CLANNAD」渚も俺の嫁 3D仮想世界と「ニコ動」が連動、“アイマス風動画”も

» 2008年04月11日 17時07分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 (C)ai sp@ce制作委員会

 好みのあの娘を“俺の嫁”に――人気美少女ゲーム「CLANNAD」(クラナド)、「SHUFFLE!」(シャッフル)、「D.C.II」(ダ・カーポII)のキャラクターと一緒に暮らせる3次元仮想空間「ai sp@ce」(アイスペース)を、ドワンゴなどが今夏に公開する。

 それぞれのゲームの世界を忠実に再現した「島」で、美少女キャラ「キャラドル」と、自分のアバターで一緒に暮らす――というシステム。ユーザーの自由度を高め、ユーザーが“創造”する余地を大きく残したのが特徴だ(ドワンゴの戦略に関する記事→ギャルゲー3D仮想世界”を生活の拠点に――ドワンゴの戦略)。

 キャラドルは、各ゲームのキャラクターをベースにしながらも、名前や姿や動き、せりふなどを自由にカスタマイズし、自分好みに育てられる。キャラドルを踊らせた動画や、2人の生活記録の動画を「ニコニコ動画」にアップする――といったことも可能。ユーザー主催のイベントを開いてみんなで盛り上がることもできる。

 ドワンゴ、ヘッドロック、ブシロード、ビジュアルアーツ、サーカスが製作委員会に参加する。ドワンゴがインフラを、ヘッドロックがゲームシステムを、ビジュアルアーツ、サーカスがゲームの世界観を提供。ブシロードは美少女ゲームの版権獲得やプロモーションのプロデュースを行う。制作委員会には参加しないが、オメガビジョンもゲームを提供する。

 無料でほとんどの機能を利用できようにする予定。特別な衣装やキャラドルのモーション(しぐさ)など一部のコンテンツを、100〜500円で販売する。

“俺の嫁”にも“女友達”にも

 ai sp@ceは、クライアントソフトをPCにインストールして利用する3次元仮想空間。ゲームごとの世界観を再現した「島」の中で、自分のアバターと、お気に入りのキャラクター「キャラドル」のアバターを設定して暮らすことができる。

 実際のゲームの登場人物は、キャラドルとは別に、それぞれの島に登場する予定だ。


画像 D.C.IIの舞台、1年中桜が咲き続ける「初音島」
画像 キャラドルを連れて街を歩ける
画像 キャラドルはさまざまな表情を見せる

 ユーザーのアバターは男性にも女性にも設定可能。男性にすれば、キャラドルを“彼女”や“嫁”、女性なら“女友達”や“姉妹”という脳内設定で楽しむこともできる。ユーザーを女性にしておけば、キャラドルと衣装を共有することも可能だ。

 キャラドルの名前は自由に設定でき、姿もゲームの登場人物そっくりに作成できるほか、体型や表情、衣装、メイク、靴、アクセサリーなどを変え、自分好みのキャラクターにカスタマイズできる。

 キャラドルは、最初の1体は無料。2体め以降は有料になり、10体まで保有できる。キャラドルを複数保有しても、キャラドル同士に関係性はできない。


画像 キャラドルは自由に着替えさせられる。外で着替える場合は、カーテンが降りてきて目隠しをする
画像 メイド服や
画像 制服といった定番から

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画像 和服+ウサミミ
画像 サングラスや腕章も

 衣装はかなりの量を無料で利用できるといい、特別なアイテムを有料(100〜500円程度)で販売する。アイテムはユーザーの声を聞きながら順次増やしていく方針。アイテムを一覧で見られる「アイテム図鑑」機能で、全アイテムをそろえる楽しさも提供するとしている。

言葉や動き、覚えさせて自分好みに

画像 マイルームは2人きりで過ごせる部屋。「VIPルーム」を手に入れれば、手持ちのキャラドル全員を集合させることもできる

 キャラドルとの生活の起点は「マイルーム」だ。ゲームスタート時に部屋が1つ与えられ、キャラドルと会話を楽しんだり、家具やポスターなどを購入して好みの部屋にできる。マイルームを開放し、ほかのユーザーに遊びに来てもらうことも可能。島の中の土地を購入すれば、島内に住所を持つことができる。

 キャラドルには、好みのモーション(しぐさ)や言葉を覚えさせ、自分好みに育てられる。キャラドルはユーザーの呼び掛けに自動応答で応えるが、機嫌やユーザーとの関係、身につけたモーションや言葉によって、しぐさや応答が変わる。

 いわゆる“育てゲー”のように、何かの数値を上げて育てるというイメージではなく、使えるモーションや言葉は、自分で設定したり、ショップで購入するなどして増やしていける。当初は利用できるモーション・せりふとも限定するが、徐々に自由度を高めていく予定。原作に近いキャラに育てられれば特別なアイテムがもらえるといったイベントもある。

「アイマス風動画作成」も

 モーションを組み合わせてオリジナルの動きをさせたり、「こう話しかけたらこういう動きをする」「ユーザーの誕生日に『おめでとう!』と言う」など、条件によって動きやせりふが“発動”するよう、ユーザーが自由にスクリプトを組むことも可能。モーションは、ユーザー間で売買できるようにする計画だ。

 仮想世界で動画を撮影し、ニコニコ動画の「アニメチャンネル」に投稿できる。普段の生活のワンシーンを撮影してアップするなど、日記動画のような使い方ができるほいか、モーションを組み合わせてダンスを踊らせた“アイマス風動画”や、モーションとせりふを組み合わせ、原作ゲームのワンシーンを再現するなどした“演劇動画”なども作成可能。ユーザー投票で優勝者を決めるダンス動画のコンテストも行う予定だ。

「ゲーム制作ツール」も

 自分のキャラドルを使ってアドベンチャーゲームも作成できる。選択肢や分岐など条件を設定してアドベンチャーゲームを作成し、みんなにプレイしてもらえる。ほかのユーザーが作ったアドベンチャーシーンを、自分のゲームに取り入れた“マッシュアップゲーム”を作ることもできる。

 ゲームもアニメチャンネルに投稿でき、ai sp@ceの外のユーザーにも楽しんでもらえる。

みんなで作る「ジョブ」

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 キャラドルは「ジョブ」を身につけられる。キャラドル自身が「○○になりたい」とわがままを言い出したり、NPCが絡むイベントでジョブの条件を提示。クリアするとそのジョブを獲得できる。

 例えばキャラドルが「看護婦になりたい」と言い出せば、看護婦っぽいモーションと衣装を身につけることで、看護婦ジョブを獲得する。

 “ユーザー生成型”ジョブを作ることもできる。例えば、カエルっぽい衣装と動きを身につけて街に出、出会った人から「カエルっぽい」と投票してもらって認められれば、新ジョブ「カエル」を獲得できる――といった形だ。

「聖地」も

 育てたキャラドルをマイルームの外に連れ出し、ほかのユーザーと交流したり、ショップで衣装やモーションを購入したりできる。外の世界は、それぞれのゲームの世界観を忠実に再現。「D.C.II」なら、物語の舞台となる「初音島」の桜並木を再現した。

画像 周囲のユーザーとチャットできる

 周囲のユーザーとは自分のアバターでチャット可能。キャラドルは自分の後ろに付いてきて、自動であいさつをしたりする。チャット中、ワンクリックでキャラドルに「ひらめき」「怒り」「汗」などといった感情を表す動きをさせることもできる。ユーザー同士でキャラドルを評価する仕組みも備える。

 各島には「聖地」と呼ばれる場所がある。原作でキーとなる学校などで、入るためにはキーアイテムが必要になる。聖地にはレベルがあり、高レベルの聖地に入るためには、必要なアイテムなどの条件が厳しくなる。

全作品のキャラドルが集まる「アキハバラ島」

 島はゲームごとに分かれており、ユーザーのアバターは各島を自由に移動できるが、キャラドルは、ほかのゲームの島に移動することはできない。ほかのゲームのキャラが“侵入”すると、ゲームの世界観が崩れるためだ。

 代わりに、各島を結ぶハブとして、「アキハバラ島」を設置。現実の秋葉原をリアルに再現した街で、全ゲームのキャラドルを連れて行くことができ、ほかの島に住むユーザーやキャラドルと交流したり、買い物をしたりできる。

 アキハバラ島では秋葉原にある実際の店舗を再現し、ゲームアイテムや実際の商品を販売したりできるようにする計画。ニコニコ動画の動画を再生するスクリーンも置く。ニワンゴの鶏キャラクター「ニワンゴ」も登場。ユーザーの様子などを動画で撮影し、ニコニコ動画にアップする。


画像 アキハバラ島
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画像 ゲーマーズ本店も。ゲーマーズには、建物の画像を利用させてもらうためのと許諾を取ったという

画像 LAOXや石丸電気も見える
画像 ラヂオ会館前。「ニコニコ動画」を見られるディスプレイを設置した
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 当初はゲーム3タイトルの島と、アキハバラ島の計4つの島だけだが、順次対応ゲームを増やして島の数を増やしていく予定。果てなく広がる「終わりのない世界」を目指す。

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