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「ダビング10」6月2日開始は絶望的 録音録画小委員会が延期に

» 2008年05月27日 17時51分 公開
[ITmedia]

 文化庁は5月27日、29日に開く予定だった、文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」を延期することを明らかにした。

 同委員会では、iPodやHDDレコーダーに補償金を課金する方向で29日に議論をまとめる方針だったが、「一部の委員が、最終的な意見を表明する状況にない」(文化庁)ため合意が難しいと判断。延期を決めた。

 「ダビング10」は6月2日スタートで合意していたが、権利者側は補償金制度の見直しを前提としていた。小委員会の延期で、予定通りのダビング10開始は絶望的になった。

 5月8日に開かれた前回の小委員会では、文化庁が、iPodやHDDレコーダーなどを補償金の課金対象とする制度改正案を提示。ダビング10は「権利者が要請したDRMではない」とし、対応機器に補償金を課金する必要があると示し、権利者側や法学者の委員はおおむね賛同した。

 だが電子情報技術産業協会(JEITA)などメーカー側の委員が「補償金の課金対象が際限なく拡大するのでは」と強い懸念を表明。27日までにJEITAの態度が変わらなかったため、文化庁は、小委員会を開いても合意が難しいと判断し、延期を決めた。

 権利者側はダビング10開始の見返りとして、デジタル放送録画機器への補償金課金を求めているが、小委員会が開かれない限り、補償金の課金対象機器も決まらない。6月2日のダビング10スタートは絶望的な情勢だ。

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