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iPhone 3Gを「仮想」分解――原価はいくら?

» 2008年06月25日 11時26分 公開
[ITmedia]

 米Appleの「iPhone 3G」の原価は推定173ドル程度――調査会社iSuppliが「仮想分解調査」の結果を発表した。

 iSuppliの「仮想分解調査」とは、実際の製品を分解するのではなく、分析スタッフが部品、サプライヤー、コストを推測するというもの。同社はiPhone 3G発売後に、実際の分解調査を実施する予定だとしている。iPhone 3Gは7月11日に、16Gバイト版が299ドル、8Gバイト版が199ドルで発売される予定(日本では実質2万3040円と3万4560円)。

 仮想分解の結果、iPhone 3Gは3Gネットワーク対応など機能向上を図っているが、コストは173ドルと既存モデルの265.83ドル(8Gバイト版)よりも23%安くなっている。これは部品価格の値下がりによるものという。

仮想分解による8Gバイト版iPhone 3Gの推定コスト(ソフト開発、輸送、こん包などの費用は含まない)
価格(米ドル) 部品
22.80 8GバイトNAND型フラッシュメモリ
20.00 改良版タッチスクリーン
20.00 ディスプレイ
13.50 アプリケーションプロセッサ
5.00 1ギガビットSDRAM(モバイルDDR)
15.00 HSDPAデジタルベースバンド
7.00 200万画素カメラモジュール
4.00 無線LANチップセット
4.00 バッテリー
3.60 GPS
2.00 モーションセンサー/加速度計
4.25 RFトランシーバー
1.89 64メガビットNORフラッシュメモリ、32メガビットPSRAM
1.80 充電器(USB)
2.00 Bluetooth 2.0+Enhanced Data Rate(EDR)
37.16 その他
164.00 部品コスト合計
173.00 製造コストを含む原価
199 小売価格

 iPhone 3Gは現行モデルとは異なり、携帯キャリアからの販売奨励金付きで販売されるとみられる。iSuppliはキャリアがAppleに支払う奨励金を1台当たり約300ドルと見込んでおり、実質的な価格は現行モデルと同じ499ドルになると述べている。

 また同社は、2009年にはiPhone 3Gの原価は148ドルに下がり、「設計が変わらなければ、2012年には126ドルになる」と予測している。

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