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オンラインVOCALOID、「初音ミク」「がくっぽいど」で体験CEATEC JAPAN 2008

» 2008年09月30日 17時16分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 低スペックのPCや携帯電話でも「VOCALOID」を――9月30日に開幕した「CEATEC JAPAN 2008」のヤマハブースで、「オンラインVOCALOID」をデモ展示している。Webブラウザからメロディーや歌詞を入力すると、サーバで音声合成を行い、「初音ミク」「がくっぽいど」の音声で歌ってくれるというものだ。

 デモ用画面で初音ミクかがくっぽいどを選び、楽譜にメロディーと歌詞を打ち込むと、それぞれの声で歌った音声が再生される。


画像 電子楽器「TENORI-ON」のデモをしていた男性スタッフは、上半身の服装だけ初音ミクっぽいコスプレだった

 VOCALOIDを快適に動かすには比較的高スペックなPCが必要だったが、オンラインVOCALOIDは処理をすべてサーバで行うため、PC側は入力インタフェースさえあればよく、携帯電話などモバイル端末でも利用できるという。VOCALOIDはWindows専用だが、Macからの利用にも対応できる。

 入力インタフェースも自由に作ることができる。従来のVOCALOIDとまったく同じピアノロールでもOKだが、デモでは、音符に合わせて歌詞を入力する簡易の楽譜画面が使われていた。

 企業向けにASP提供する計画。「当社としてオンラインサービスの展開は初。まずは企業向けで限定的に展開したい」(説明員)考えだ。初音ミクやがくっぽいどなど既存のVOCALOIDソフト限らず、新たな音声データベースと組み合わせたサービス展開も可能だ。

 技術はほぼ固まってきており、パートナー企業が決まれば、年内にもサービスを始められるという。

歌声自動補正、ネットで体験も

画像 Auto Vocoder Box

 歌声を自動補正するオンラインサービス「Auto Vocoder Box」のデモも行っている。MIDIであらかじめ入力したメロディーに合わせて歌声を補正するというもの。業務用シーケンサーなどに搭載してきた機能を、オンラインサービス化した。

 メロディーのない声と、「Amazing Grace」のメロディーを組み合わせ、上手に歌わせるというデモが見られるほか、自分の歌声の補正も体験できる。これもASPサービスとして、企業向けに販売していく。

 「オンラインVOCALOID」「Auto Vocoder Box」とも、同社が今年始めた「Y2プロジェクト」の企画。「自社で眠っている技術をASPサービス化し、外部企業に利用してもらおう」という趣旨で、CEATECの開幕に合わせてWebサイトもオープンした。技術の概要を解説し、問い合わせを受け付けているほか、Auto Vocoder Boxのデモ版も体験できる。

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