「女試し。」で“モテ力”は上がるか？ 開発者を直撃

[宮本真希，ITmedia]

女試し。手のひらにすっぽりおさまるサイズ

　「人生には3回の“モテ期”がある」と聞いたことがある。記者（♀、24歳）には一度もモテ期が訪れていないので、信じてはいない。だがその話が本当なら、乙女たるもの、いずれ来るモテ期に向けて万全の備えをしておきたいものだ。

　バンダイが2月7日に発売する「女試し。」は、女性の“モテ力”を測定できるツールだそう。モテ期を待望する記者には気になるアイテムだ。

　男性がしてほしい女性のしぐさや行動、ファッションなどについて問題に答えることで、回答者がどれだけ“男心”を理解しているかを「moteQ」（モテキュー）と名付けたモテ指数で算出する。20〜30代の独身男性1000人を対象に行ったアンケート調査を元に制作されたという。

　早速、1問試してみよう。問題：男性が彼女に着て欲しいパジャマは？──選択肢は「浴衣」「ネグリジェ」「だぼだぼのパジャマ」「スウェット」の4つだ。ユニクロのスウェット上下セットを着て寝ている記者は、「まさかスウェットではないだろう。セクシーな方が男性に喜ばれるのでは」と思い「ネグリジェ」を選んだが、不正解だった。男心は難しい。

　本体はコンパクトのようなデザインで、ふたを開けると現れるモノクロ液晶画面に問題を表示する。問題に正解するとモテ指数「moteQ」が上がる仕組みだ。間違えると画面に「不正解」と表示されるが、正解がどれかは教えてくれない。結局記者は、男性が好むパジャマがどれなのか分からないまま、今も悩んでいる。モテ期が少し遠ざかった気もする。

　ニュースリリースによると「問題に繰り返しチャレンジすれば、モテ力もきっとアップするはず。女試し。で男性の深層心理を理解すれば、素敵なパートナーとめぐり合い、ハッピーになれるかも」だそう。

　問題を解くだけでモテ力アップ？　素敵なパートナーとめぐり合えるかも？　いやいや、そんなわけないじゃないか――と疑問を持った記者は、女試し。を企画したガールズトイ事業部の小野寛子さんを直撃したところ、「女試し。で学んだテクニックを実践し、恋人ができて結婚した人もいる」というびっくりな証言が飛び出した。

　小野さんは、イケメンとドキドキ気分を味わえる貯金箱「イケメンバンク」の企画者でもある（イケメンにドキドキしながら500円？！「イケメンバンク」）。

「男性が好きな髪型」、女性から見ると意外

本体は3色。4人までの女性でmoteQの高さを競う「モテクイーン決定戦」、釣りゲーム「イケメン釣り」、特定の男性をどれだけ理解しているか判定する「あなたで女試し。」といったモードも搭載している

――女試し。企画のきっかけは。

　女性向けおもちゃを企画するガールズトイ事業部には、20〜30代の女性と数名の男性しかいません。8割が女性で、仕事の合間に恋バナするのも許される雰囲気なんです。

　「男って何考えているかわかんないよね」――と事業部内で恋バナしたり、「イケメンバンク」を監修した恋愛心理カウンセラーの清水おりえさんと話をしているうちに、「男女のすれ違いをクイズにしたら面白いかも」と思い、企画しました。

　クイズを1つ作って、社内でやってみたところ、とても盛り上がったので、こんなに盛り上がるんだったら製品にしよう――と開発が始まりました。

　本屋では“モテ本”が平積みされてよく売れていますし、最近は婚活がブームということもあり、恋愛がテーマのおもちゃを作りたいと思っていました。

――どんなクイズで盛り上がりましたか。

　「女性にしてほしい髪型は？」という問題でした。男性から人気だったのは、ポニーテールです。

――そうですか……“エビちゃん”のような巻き髪がモテるのかと思っていました。勉強になります。なぜポニーテールは人気なんでしょうか。

　うなじがたまらないらしいですよ。女性からは「ポニーテールは古くさい」といった意見が出ていました。

「公園の外灯の下は男のロマンだ」

――製品を企画する際、1000人の男性にアンケートをとったそうですね。

　男性にWebアンケートをしたり、バンダイの男性社員やその友人などに直接聞きました。質問に対し、なぜその回答をしたのかも聞き、コメントの一部は女試し。で問題に正解すると読むことができます。

　例えば「女の子から告白されたい場所は」という質問で最も多かった回答は「公園」でした。

――公園とは意外な。記者は、夜景スポットやおしゃれなレストランなど、ロマンチックな場所に憧れますが……。

　「公園は青春を感じる」「公園の外灯の下は男のロマンだ」といった熱いコメントが寄せられていました。

女試し。効果で結婚!?

女試し。のWebサイト

――ところで小野さんのmoteQはどれくらいですか

　最初は9点でしたが、今は53点になりました。

――！　どうすればそんなに増やせるんでしょう。

　問題を繰り返し解いていると、何となく男心の傾向が分かってくるんです。

――記者は、公園の外灯にロマンを感じるような男心を理解できそうにありません。

　バンダイの女性社員は、女試しを繰り返し使って傾向がつかめてきたようで、「男って単純だ」と言っていましたよ。

――一部の問題を試せるWebサイトも公開されました。記者がWebサイトでmoteQを算出したところ40点で、「なんだかちっとも惹かれないボチボチな女」と判定されてしまいました。100点を出すのは難しいでしょうか。

　Webサイトはお試し版なので、比較的100点が出やすいですが、製品版で100点を出すのは難しいです。問題によって配点が異なり、難しい問題を間違えると、moteQがガクンと下がってしまいます。

　社員で最もmoteQが高い人でも70点代でした。moteQは、学力で言う偏差値みたいなものなので、70点でも東京大学に合格できるくらいの高レベルということです。

　まずは1カ月くらいやりこんで下さい！　彼氏も、男性上司の心もつかめるようになりますよ。

女試し。で遊ぶ小野さん。この日は黒いニットだった

――そんなばかな。小野さんは女試し。をやって何かいいことがありましたか。

　企画時に実施した男性のアンケート結果によると、服の色は黒より白の方が好まれるらしいんです。これまで服を買うとき、汚れが目立たなさそうな黒を選んでいたのですが、試しに白のニットを買ってみたら彼氏にほめられました。

　女試し。の商談会にも、女性スタッフが全員白いワンピースを着て参加したところ、ブースは大盛況でした。女試しのおかげで結婚した人もいますよ！

――え！　結婚ですか。

　イケメンバンクに続き、女試し。も監修した恋愛心理カウンセラーの清水さんが、白いニットを着たり、ロングヘアをセミロングにするなど、女試し。で学んだテクニックを実践していたところ、恋人ができ、それから数カ月で結婚されたんです。

――ところで、男性版は作らないのですか？

　男性版をほしいという問い合わせが多ければ検討します。

──女試し。の価格は2499円。モテテクニックを学ぶのであれば、本や雑誌の方が安く購入できそうですが……

　男性に男心を真顔で聞くのは恥ずかしいですが、女試し。は1000人の男性の声を2499円で買えるので画期的です。モテ本は知識の積み重ねなのに対し、女試し。はmoteQの算出もできます。高いと思う方は、誰かにおねだりしてみて下さい！

　男性がホワイトデーに「俺のことを勉強しろ」と女性にプレゼントするのもおすすめです。