mixiが、“全方位戦略”を進めている。
これまでのmixiは、ログインしないと利用できず、クローズドな交流を最も得意としてきた。新たに立ち上げた「mixiページ」では、ログイン不要でオープンな環境を用意。友人同士のクローズドな交流から、ネット全体へのオープンな情報発信まで、あらゆるニーズに応えていこうとしている。
2004年のオープンから7年半。ユーザー数は2000万以上と日本の人口の2割近くに迫る。2000万人の中には、ネット上だけの交流に使う人、リアルな友人との関係強化に使う人、さまざまなニーズを持つユーザーがいる。すべてのニーズに最大限応え、日本のユーザーが最も心地良く使える、地域密着SNSとして進化していきたいという。
個人ユーザー同士がフラットに交流できるSNSとして、2004年に誕生したmixi。ユーザーベースが拡大し、サービスとして成長するにつれ、有名人や企業による情報発信も増加した。個人と個人の交流の中に、有名人や企業の情報が混じるようになり、「違和感があった」と同社の原田明典副社長は言う。
有名人は「公認アカウント」を使ってファンとマイミクシィ(マイミク)になり、情報を届けることができたが、友人も有名人も同じ「マイミク」。友人のプライベートな近況と同列で、有名人のパブリックな情報が流れてくる構造で、「違和感があり、使いづらかったと思う」。
有名人や企業は「公認コミュニティ」を使ってユーザーとコミュニケーションすることも可能だが、コミュニティも、参加者全員がフラットに交流する構造。一方的な情報発信には向かなかった。
mixiページは、有名人や企業による発信を“友達の輪”の外に出そうとする試みだ。「有名人の発信は、友達としての発信ではなくコンテンツそのもので、ニュースやメルマガに近い。発信の中心者がいて、発信するという場を作り、友達の輪に無理矢理入れることをやめた」
mixiページなら、ログインなしで閲覧することも可能(設定による)。よりパブリックに広く発信できる一方で、mixiページ上でユーザーが行ったコメントや「イイネ!」などは、近況として友人にフィードされ、共有できる仕組みだ。オープンでパブリックなmixiページから発信した情報が、各ユーザーのプライベートなソーシャルグラフで伝播。オープンに広がり、プライベートに深まる、“ソーシャルページ”たるゆえんだ。
個人ページとは別に誰もが開設でき、SNSユーザーに情報発信できるmixiページの構造は、Facebookページに近い。50人以上のフォロワーがいると独自のURLを取得できる点も、Facebookページと同じだ。
原田副社長はFacebookページとの違いを、「発信者向けの新しいフォーマットを用意した」点だと説明する。「Facebookページは、ユーザーページとほぼ同じデザインや機能を利用でき、mixiで言う公認アカウントやコミュニティに近いイメージととらえている。mixiページは、ユーザーと同じフレームに載せるのではなく、情報発信に最適化した別のフォーマット、デザインを用意した」
有名人が日記の形で情報発信できる仕組みは芸能人ブログにも似ており、「アメブロ」などとも競合しそうだ。「ブログに似ていると思われるかもしれないが、ソーシャルグラフに対応しているため、ブログよりも情報の広がりや、ユーザーとの交流性は高いと思う」と原田副社長は話す。
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