いわゆる「まとめサイト」を1日に何度も訪れるヘビーユーザーは全体の18.5%──電通パブリックリレーションズは7月18日、こんな調査結果を公表した。約半数が暇つぶしのために訪問しており、「膨大な情報量を暇つぶしにちょうどいいサイズにまとめてあるところが、現代人のニーズにフィットしたのでは」と考察している。まとめサイトに対する賛否もあるが、総じて情報の1つとして冷静にとらえているという。
首都圏・近畿の1都2府5県の15歳以上の男女1万人を対象に6月にネットで調査した結果をまとめた。
まとめサイトを利用・閲覧したことがあるのは36.5%。男性では43.2%、女性では31.4%だった。年齢別では、男性の10〜20代は7割強が利用・閲覧の経験者だった。
利用閲覧経験者を抽出してさらにアンケート調査したところ、76.2%が1週間に1回以上は利用・閲覧していた。1日に何度も利用するヘビーユーザーは18.5%だった。男性20〜29歳が利用率が高く、9割が1週間に1回アクセスしていた。
まとめサイトの利用目的は48.2%が「暇つぶし」。次いで「情報がまとまっていて見やすいから」が38.5%、「マスメディアより幅広い、様々な情報を入手できる
から」が38.2%だった。50代以上は「情報がまとまっていて見やすいから」が1位で、若年層は暇つぶしについで「楽しいから」を挙げており、年齢層によってアクセス理由の傾向に違いもあった。
アクセスするのは就寝前が51.4%とトップ。休憩中が38.6%、テレビを見ながらが24.5%だった。若年層は生活の「すき間時間」に利用している傾向があった。
利用・閲覧経験の多いまとめサイトは「ウィキ」がトップで49.7%。NAVERまとめが38.4%、痛いニュースが32.8%だった。
同社は「まとめサイトはニュースや事象に対する生活者の声の集合体であり、まとめサイトの出現・浸透は生活者の声が“まとまる・整理される”ことで、新たにコンテンツとしての力を持ち、生活者はもちろんのこと、これまで情報源であったマスメディアにも影響を与える、新しい情報流通構造を創出したと考えられる」と評価している。
まとめサイトをめぐっては、情報の恣意的な編集などが問題になることもある。ユーザーは「書かれている情報に対して、いい悪いの判断はできない」が28.7%、「世の中の声として受け止めている」が21.8%で多かった。「かたよった意見としてとらえている」も16.3%だった。「悪意を感じる」(5.8%)や「マスメディアより信頼している」(4.3%)といった意見もあるが、「総じて『2ちゃんねる』に書かれている話題も、1つの情報として冷静に捉えている」(同社)という。
では恋人や配偶者がまとめサイトを見ていたらどう思うか。フリーアンサー形式で質問したところ、「自分の場合、2ちゃんねるがきっかけで結婚したので、まとめサイトを見ていても特に問題はないと思う」(男性28歳)、「何ら問題なし。実際に夫婦共に見ている。最低限の情報リテラシーさえあれば、まとめサイトでも、2ちゃんねるでも、マスメディアでも同じこと」(男性36歳)と、中立・肯定が8割以上に上った。まとめサイト利用経験者の回答なので自然とはいえ、『「個人の自由に委ねる』が1位となったのは、1人ひとりに情報リテラシーが求められる、今の時代を反映した結果」(同社)としている。
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