固定と携帯のセット割はKDDIが「auスマートバリュー」で先行している。ドコモ光の優位性を問われた加藤社長は「簡単には言えない」と悩みつつ、「パケットを家族で分け合え、シェアパックのデータ量が大きいほど割引率が大きくなる。長く使ってもらうとさらに割引が受けられる。ドコモを家族で長く使っていただくとさらにお得という構造」が特徴だと話す。
MNP競争で苦戦が続いていたドコモだが、一昨年にiPhoneを導入し、昨年には料金を刷新、今年は「ドコモ光」で固定回線とのセット割という武器を手に入れた。「そろえるものはそろえた。反転攻勢に向け、もう言い訳はできないと社内的にも鼓舞している。キャリア間の競争はモバイルだけではなくなってくる。LTEを中心としたモバイルと、宅内の光回線があるという世界がこれからスタートすると思っている」
「ドコモ光はもうかるビジネスなのか」という質問に対して加藤社長は、「なかなか難しいところで、一概には言えない」と濁しつつも、ドコモユーザーにドコモ光に加入してもらえば、自宅の光回線でコンテンツを楽しみ、外では携帯電話で続きを見る――という使い方が促進されると期待。結果的にドコモ携帯のデータ利用を活性化できると期待する。
ドコモ光は2月16日に事前受け付けを開始し、3月1日にサービス開始予定。当初は2月の開始を予告していたが、1カ月ずれ込んだ。加藤社長は「NTT東西が新しいスキームを生み出すにおいて影響が非常に大きいと、いろいろな議論がなされて3月1日となった」と釈明。ドコモ光の発表前日の1月28日には総務省が、NTT東西の光卸のガイドラインを公開しており、ドコモは「ガイドラインの順守が基本姿勢だ」としている。
昨年の携帯電話の春商戦では、各キャリアが青天井のキャッシュバック合戦を繰り広げて問題となったが、加藤社長はキャッシュバック合戦からの決別も宣言。「不健全なキャッシュバックは行わないよう、パラダイムをシフトしている。光にたくさん加入いただくためにキャッシュバック作戦をする気はない」と話している。
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