「著作権侵害の非親告罪化」「保護期間延長」はTPP交渉から除外を――ネット関連団体の声明、政府に提出 68団体・283人賛同(1/2 ページ)
ネット関連3団体で構成する「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」は3月12日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の知財分野の交渉について、十分な情報公開と、著作権侵害の非親告罪化や著作権保護期間の延長などを妥結案から除外するようを求める声明を、西村康稔内閣府副大臣に手渡した。声明には68団体・283人が賛同しており、今後も賛同者・団体を募る。
TPPは秘密交渉で、条文案や交渉の状況などは公開されていない。WikiLeaksが条文案の一部をリークしているほか、国内の大手メディアが交渉の動向を報じているが、「著作権侵害は非親告罪で調整中」報じられる一方で、「非申告罪化は義務付けない方向で調整している」と報道されるなど、情報は錯綜している。
同フォーラムは、TPPの知財交渉の行方を懸念し、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンとthinkC(著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム)、MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会)の3団体で構成。2月24日に声明案を公開し、賛同者・団体を募っていた。
声明案では、(1)条項案を含む十分な情報公開を、修正交渉が可能な段階で行うこと、(2)著作権侵害の非親告罪化や著作権保護期間の延長など、各国の利害対立の大きい知財条項を妥結案から除外すること――を求めており、10日までに、ドワンゴ、クリプトン・フューチャー・メディア、Jコミ、コミックマーケット準備会、青空文庫、日本劇作家協会など68団体と283人の個人が賛同している。
「非申告罪化は義務づけない方向」は「誤報」?
13日午前、同フォーラムを代表し、弁護士の福井健策氏やジャーナリストの津田大介氏などが西村副大臣に声明文と賛同者・団体リストを手渡し、意見交換を行った。
福井弁護士によると西村副大臣は、「非申告罪化は義務付けない方向」とする12日付けの一部報道について「誤報」と断じたという。ただ、非親告罪化が確定したわけではなく、まだ決まっていないというニュアンス。「秘密協議のため何も答えられない」という立場だったという。
西村副大臣は、「著作権保護期間や非親告罪化など、知財条項にさまざまな意見があることは十分承知しているが、それを踏まえた上でみなさんに納得いただけるような最終案にすべく、全力を挙げたい」と繰り返し話していたという。
「声を上げない人が、非親告罪化を成しとげる」
著作権保護期間の延長と著作権侵害の非親告罪化は、これまで国内で何度も議論の俎上に上がってきた。保護期間の延長は、コンテンツ輸出が最大の産業である米国にとっては有利だが、コンテンツ輸入国の日本には経済的に不利に働く上、権利者不明で2次利用ができない「孤児作品」が増え、国民の共有財産が減ってしまう――などの懸念が指摘されている。
非親告罪化は、パロディや2次創作を萎縮させる恐れがある。著作者が許容しているパロディや2次創作でも、著作者の意図とは関係なく摘発される恐れが出てくるためだ。特に日本のアニメや漫画は、コミックマーケット(コミケ)などで2次創作が盛り上がることによって発展してきた面が大きく、2次創作が萎縮すると、日本のコンテンツ市場も縮小する可能性がある。
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