異色のロボット「テレノイド」が「人類の新しい友人」に 高齢者との対話サービス事業化へ
異色のロボット「テレノイド」を活用した高齢者向けコミュニケーションサービスの事業化が始まる。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)などが出資する新会社が半年後をめどに対話サービスをスタート。ロボットを高齢者の「生活の質」改善につなげる。
テレノイドは、人間そっくりな「ジェミノイド」(Geminoid)で知られる石黒浩 大阪大学特別教授が開発。人間として必要最小限の見かけと動きの要素のみを備えており、新サービスでは高齢者がテレノイドの会話を通じてて見守りや健康状態の把握などを行う。会話は実際には人間のオペレーターがテレノイドを通じて行う形になる。
事業を展開する新会社「テレノイド計画」(京都府精華町)は、ATRと、ATRが持つ技術の種(シーズ)の事業化を目的に日本ベンチャーキャピタルが2月に設立したファンドと、高齢者向けコミュニケーションサービスを手がける「こころみ」(東京・恵比寿)の共同出資で設立。テレノイドは既に高齢者施設で成果を上げており、こころみが展開する会話型見守りサービスとの融合で高齢者の生活改善を図っていく。
料金など詳細は今後詰めるが、テレノイドはレンタル制とし、「常識的な」金額の月額利用料という形を想定している。
人が思い思いの姿を投影するニュートラルなロボット
テレノイドは性別がはっきりしない真っ白な顔と胴体というシンプルかつ異形の外観だが、それゆえに「人は情報が足りないとポジティブな想像で補う」(石黒教授)とユーザーが思い思いの姿を投影することが可能になる。ジェミノイドが人間に徹底的に似せ、実在の人物と同様の存在感を追求したのとは対照的なアプローチだ。
テレノイドの初代は2010年に開発。日本とデンマークの高齢者施設で実証実験を重ね、特に認知症の高齢者が抱きかかえながら会話すると著しい情緒安定効果などがみられたという。
石黒教授は「人は人を脳で人として認識することができる。人間型は最も理想的なインタフェースであり、技術が進めば人間型ロボットが増えていく」と話し、ソフトバンクも「Pepper」なども挙げ、「この2~3年のうちに大きく普及するかもしれない」と期待する。
ATRは「けいはんな学研都市」の中核として基礎技術研究に取り組んできたが、蓄積した成果の事業化にも乗り出しており、テレノイドはVCが出資する第1号案件として期待。テレノイドの生産ではロボットベンチャーのヴイストンが協力し、低価格化などを進める。
テレノイド計画の社長を務めるこころみの神山晃男社長は「人類の新しい友人を生み出す」と話し、将来は高齢者だけではなく全年齢向けサービスも展開していく考えだ。
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