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「地球は青かった」と教えてくれたのは誰? 4月12日は「世界宇宙飛行の日」

» 2016年04月12日 15時28分 公開
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp

 今は誰でも地球が青く美しい星だということを知っています。初めてそれを教えてくれたのが、当時27歳のユーリ・ガガーリン。当時のソビエト連邦が打ち上げた「ヴォストーク1号」で地球を1時間48分の飛行で1周し、人類が初めて大気圏の外に飛び出して帰還した記念すべき日が今日4月12日、「世界宇宙飛行の日」です。

photo 地球は青かった

アメリカにとっても4月12日は宇宙の日

 この日、人類と宇宙にとって記念することはまだあります。ガガーリンから20年後の1981年4月12日、アメリカのスペースシャトル「コロンビア」が最初のフライトを行いました。

 スペースシャトルがそれまでのロケットと大きく違うのは、何度も使うことができることでした。「シャトル」と名付けられたことに意味があるのが分かりますか?「シャトル」とは織物を作るときに横糸を渡すために使われる「ひ」のことです。縦糸に横糸を織り込むために、左右を行ったり来たりしているあの道具です。スペースシャトルは地球と宇宙の間を行ったり来たりする、そんな意味が込められて同じ機体が何度も打ち上げられました。

 スペースシャトルのミッションとして国際宇宙ステーション(ISS)への人員や物資の輸送や修理のほかに、科学、天文学、結晶生成、宇宙物理学などのスペースラブミッションも行われました。残念ながらスペースシャトル計画は2011年7月のアトランティス号の最終飛行で終わりを告げています。

photo 国際宇宙ステーション

日本人ならぜひ知っていて欲しい!

 4月12日は日本にとっても大切な宇宙の記念日! 1955年の4月12日は日本初のロケット実験が行われた日です。長さ約23センチの小さなペンシルロケットが東京の国分寺で水平発射の公開実験に成功しました。

 ガガーリンの宇宙飛行や、スペースシャトル初飛行に比べられない! なんて思わないでください。戦後わずか10年、今から60年前の日本が、お金の代わりに知恵をしぼって、作ったたった23センチの小さなロケットには、日本の技術がしっかりと詰まっていたはずです。そして技術はしっかりと今につながっているのです。

 現在では小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星「Ryugu」を探査し、サンプルを持ち帰るミッションについています。今年の2月17日に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」は、衛星からの電波を正常に受信できず、その後も衛星の状態を確認できない状況が続いています。困難な時でも宇宙に対する真剣な取り組みがされている宇宙開発を、これからも応援していきたいですね。

ところで、人工衛星ってどのあたりを飛んでるの?

 宇宙飛行士の宇宙船での仕事や生活をみても、「宇宙に行く」というのは本当に大がかりで大変なことだと分かります。

 ところで宇宙飛行士の人たちのいる宇宙は、どれくらい遠いのでしょうか? 私たちが乗る飛行機が安定飛行するのは、大体高度1万メートル、およそ10キロくらい上空です。現在活躍中の国際宇宙ステーション(ISS)は地上400?の付近を1秒あたり7.7?で地球を周回しています。

 400キロいうと東京から大阪くらいの距離。意外と近い! とびっくりしませんか?それよりもっとずっと遠いところで毎日私たちに情報を送ってくれているのが気象衛星です。

 天気予報では「ひまわりの映像を見てみましょう」ということばをよく聞きますね。気象衛星「ひまわり」は高度3万5880キロで地球の自転と同じ向きに周回する赤道上空の静止軌道衛星です。

 つまり同じところをいつも観測している、ということになるのです。私たちが日々テレビで目にする、雲や台風が刻々と動く画像もこのように観測されているのですね。

 誰でも宇宙を旅行できる日はまだまだ遠そうですが、すでに宇宙は私達の生活とは密接につながっています。

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