海外のスーパーマーケットを訪れたことはありますか? 見慣れない商品がたくさん並ぶスーパー、観光客にとってはお値打ち価格でおみやげがゲットできる場所でありつつ、地元の家族やカップルの日常を垣間見て観光地とはまた違った外国の気分を味わうこともできる場所です。私のように「海外に行った時は必ず行く!」という方も多いのではないでしょうか。
食べ物や飲み物、日用雑貨など、扱う商品のジャンルは世界各国で変わらなくても、海外では店内の雰囲気が日本と少し違って感じませんか。今回はその秘密をひもといていこうと思います。
下の写真をご覧ください、積み重ねられた食品や調味料は、運搬用の段ボールをそのままに、横面をガバッと開いて陳列されています。違和感がないどころか、むしろカラフルでデザイン性が高く、おしゃれに見えます。
対して、日本のスーパーマーケットの売り場ではどうでしょうか。多くの段ボールは茶色ですし、そもそも店頭では箱自体をあまり見かけませんね。
この色鮮やかな段ボールの存在こそ、店内の雰囲気の違いを生み出している1つの理由であり、店舗の業務スタイルを根底から変えてしまった要因でもあります。
スーパーマーケット店内業務で一番多くの時間・人員を費やしているのがレジ打ち。そして2番目が品出し――つまり、箱の開封から陳列までの作業です。
日本では、ほとんどすべての商品が箱から取り出され、きれいに並べられていますが、海外のスーパーマーケットはこの「品出し」が段ボールパッケージ印刷によって不要になりました。商品陳列作業を減らして、さらに販促や宣伝に活用してしまいます。合理的ですね。
写真でも分かりますがこの外箱、そのまま積み重ねて棚にもなっています。簡単に開封できて陳列棚にもなる段ボール箱は「RRP」と呼ばれています。プロレス団体の名前のようですが、「リテール・レディ・パッケージ」の略。販売準備済みのパッケージ、という意味です。他にも、SRP(シェルフ・レディ・パッケージ=棚になってるパッケージ)、FRP(フロア・レディ・パッケージ=床に置けるパッケージ)という言い方も。構造もビジュアルもさまざまなデザインがあります。
スーパーの棚に並ぶ商品、より新しいものを求めて奥の方から商品を取った経験はあるでしょうか。「新しい物は後ろの方にある」という無意識に近い認識があるからですね。商品をぐるぐるかき回されてしまうと、店員さんが再度陳列し直すのも大変です。
RRPなら、古い箱から順番に開けていくだけ。購入する側も迷うことなく、店舗側の作業も楽になります。パッケージの内側にも印刷されていると、商品が空になってもきれいに見えますね。
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