米Googleが1月24日(現地時間)にアップデートしたiOS/Android向けアプリ「Google翻訳」の「リアルタイムカメラ翻訳機能」(Word Lens機能)が話題だ。この機能は、街の看板や表札などにカメラを向けると、リアルタイムに画面上で翻訳してくれるというもの。「すげぇ」「カメラを通して見ると電脳メガネっぽくなる」などと盛り上がりを見せている。
しかし精度はまだまだのようで、Twitterでは誤訳を中心とした大喜利状態に。筆者も試してみたが、うまく翻訳するにはカメラの角度や照明などにコツが必要で難しい。「きのこの山」と「たけのこの里」の箱で翻訳を試みたが、どちらも正しく翻訳されず両者引き分けの状態だ。
そんな中、それらよりも精度のいいとされる“カメラ翻訳”機能(英語・日本語を含む37言語に対応)というものを発見した。スマートフォンのカメラで写真を撮影すると、文字をスキャンして翻訳してくれる機能だ。これは2015年1月にリリースされたものだが、筆者は使ったことがない。
そこで、リアルタイムカメラ翻訳機能ではうまくいかなかった、きのこの山とたけのこの里がきちんと認識されるか試してみた。
すると、両者で大きな違いがみられた。きのこの山は「Mountain of Mushroom」と翻訳されるが、たけのこの里は翻訳されない。本来であれば「Village of bamboo shoot」と訳されるはずだが、文字認識すら危うい状況だ。何が問題なのか。
調べてみると、きのこの山は「きのこ」「の」「山」と正しい区切りで認識されるが、たけのこの里は「たけ」「の」「この」「里」や「たけ」「の」「こ」「の里」などと間違った区切りで認識されていることが分かる。文章として認識されず、「it goods this village(それはこの村の品物)」や「bamboo grove(竹林)」となってしまう。
因縁の対決“きのたけ戦争”。日本ではたけのこの里が優勢だったが、グローバル化によって事態は一変した様子。“カメラ翻訳”では、きのこの山に軍配が上がった。リアルタイムカメラ翻訳で勝敗が決まる日が待ち遠しい。
(太田智美)
小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。
大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは2014年11月から、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。
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