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PCの買い替え時はいつ? 「ITの引っ越し」前に知りたい最新PCとOS事情“中の人”が明かすパソコン裏話(3/4 ページ)

» 2017年04月24日 08時00分 公開

サイバー犯罪はもうかるビジネス?

 ニュースを見ていると、企業の情報を狙った犯罪が増加していることを感じる方も多いのではないでしょうか。法を犯すリスクがあるにもかかわらず、なぜ、犯罪は増えるのでしょうか。

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 1つの理由は手っ取り早く「もうかるから」であるといわれています。簡単に参入できることも要因です。ハッキング用のプログラムを販売して、購入したユーザーへ使い方を手厚くサポートするような組織さえ存在します。もはやビジネスになっているといっても過言ではありません。

 カスペルスキー公式ブログによれば、欧州の大手銀行をターゲットにした攻撃では、犯罪者がわずか1週間でおよそ5800万円もの大金を自分たちの口座に送っていた例もあるようです。

 サイバー犯罪は、大きな投資をすることなく大きな結果を得ることができる。すなわちROI(投資対効果)が高いビジネスに市場に成長しているのです。どうすればこういった犯罪に狙われないようになるのか。この場合は犯罪者の心理学が役立ちます。

 一般的に泥棒は、必ずしも「豪華な家」を好むのではなく、5分以内に進入できるか、という観点で進入先を選ぶといわれています。侵入に時間がかかるようでは警備に見つかり、捕まってしまうリスクが高くなるからです。

 これらと同じように、サイバー犯罪でもセキュリティに関心が薄く、古いシステムを使い続けているところから攻めていきます。しかも、古いPCほど貴重な情報が保存されている可能性が高いので、効率もよいということです。

photo 写真はサイバー攻撃を監視するコントロールセンター。サイバー攻撃は24時間、365日世界中で発生している。日本も例外ではない

最新OSのセキュリティ対策はどんなもの?

 Windows 10には、セキュアブートという進化したOSの起動プロセスが採用され、信頼されたプログラムだけがロードされるように作られています。この機能が無い場合は、OSが起動する前の段階で不正なプログラム(ルートキットなど)が仕込まれてしまう可能性があります。

 こういったプログラムはウイルス対策ソフトやOSからは検出できないため、遠隔操作やキーボード入力のログを抜き取られ、最終的に重要な情報が盗み取られてしまうなどのリスクがあります。

 さらに企業向けのエディション全てには高度な暗号化機能(BitLocker)が採用されており、ローカルドライブに保存されるデータを暗号化することが可能になっています。暗号化されているとデータを復号する手間がかかるので、攻撃者の効率を悪くさせることができます。

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