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Google検索はもう信頼できない? デマやまとめサイトとの向き合い方ITりてらしぃのすゝめ(3/3 ページ)

» 2017年11月24日 09時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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 とても難しいことですが、まずは「○○に載っていたから信頼できる」「○○さんがRTしたから信頼できる」「みんながシェアしているから信頼できる」という、信頼をアウトソースするようなことはもはやできないと考えるべきだと、私は思っています。

 たまに聞かれることとして、「Yahoo!JAPANのトップに載っていたから本当なんじゃない?」と判断する人もいます。でもこれは冒頭のGoogleと同様のことが起きてもおかしくはありません(ヤフーの場合は編集部が介在しているので、Googleとは状況が異なりますが)。

Yahoo! Yahoo!JAPANのトップ記事

 問題はヤフーやGoogleが間違えることではなく、本来自分が判断すべき「信頼の置き方」を他者に委ねてしまうこと。それは「○○さんの言うことは信頼できる」というのも一緒です。どんな専門家だって、間違うことはあるでしょう。誰が言ったのかだけではなく、何を言っているのかを判断しなくてはなりません。

 結局は、インターネットのニュースソースやレビューサイトの情報、口コミやインフルエンサーの言葉を自分なりにかみ砕き、それをもとに「自分自信が信頼できる答えを作る」しかないと思っています。それが間違いだったとしたら、自分の答えの作り方を見直すチャンスなのでしょう。

 冒頭のVergeの記事には、「GOOGLE SEARCH IS A TOOL, NOT AN EXPERT」(Google検索はツールだ。専門家ではない)と大きく見出しを付けています。まさにその通り。古き良きインターネット時代は「情報を出したい、記録しておきたい」という考え方から、何の収入も得られないのに率先してWebサイトを作っていた時代がありました。

 その後に出てきた「集合知」という概念に期待した所ももちろんあります。しかし今では「稼ぐため」に情報を出し続けている人がいて、その人たちは得てして読者のことは考えていません。これが「だまされる方が悪い」というのだとしたら、本当に悲しいことだと思います。

 しかし、最近は業界的にもファクトチェックの推進・普及を目的とした団体「ファクトチェック・イニシアチブ」が発足するなど、フェイクニュースを撲滅し、信頼を取り戻そうとする動きもあります。

 現在はみんなの意見ではなく、「あなたの意見」がより重要になってきたのではないかと私は思います。そこに至るまでには、インターネットだけでなく、雑誌や新聞、テレビ、リアルな知人からの情報を自分なりにミックスし、幅広く情報源を持つことが重要なのかもしれません。

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