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グラドルの“例のポーズ”ほど緩くない赤字が続くソフマップ「NOKIZAL」決算ピックアップ

» 2017年12月04日 11時16分 公開
[NOKIZALITmedia]

 秋葉原を中心にPCなどの量販店を展開するソフマップ(東京都千代田区)が12月1日、官報に掲載した決算公告(2017年8月31日現在)によれば、当期純損失は7億4600万円(前年同期は1億6500万円の赤字)、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は15億9700万円の赤字(同8億5000万円の赤字)だった。グラビアアイドルの“ソフマップポーズ”ほど緩くない業績が続いている。

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 ソフマップは1982年に鈴木慶氏(現在はシュッピンの代表)が設立。秋葉原を中心に国内23店舗を展開している。創業当初はPC用ソフトウェアの会員制レンタル事業や、商品展示を行わずに廉価で販売する“箱売り”で事業を拡大していたが、Windows 95発売によるPCブームの到来を予見し、94年にWindows専門店「Chicago」(ChicagoはWindows 95の開発コードネーム)を開店するなど、大型店舗での展示販売に大きく舵を切り、10年で年商1000億円を超える企業に成長した。

 しかし90年代半ばを過ぎると、PCの価格下落やゲーム類の販売不振、競合だった大型家電量販店の躍進などで業績が停滞。丸紅の支援を受け01年に上場を果たすも業績改善は進まず、10年にビックカメラの完全子会社となり上場廃止。現在は共同で経営再建を目指している。

 ソフマップといえば、イベントスペースでグラビアアイドルが披露する“ソフマップポーズ”が有名。イベント自体はゲームソフト、DVDなどの小売を行っていたヤマギワソフトを吸収合併したことに由来するが、ポーズがいつごろから登場したのか、なぜ恒例になったのかは明確には分かっていない。

ここがポイント

 今回の決算でも、当期純損失7.4億円に累積赤字15.9億円とシビアな数字が並ぶソフマップ。06年のビックカメラの連結子会社化以降、赤字店舗の撤退やビックカメラ店舗内での中古専門店の出店などを進めているものの、なかなか厳しい状況が続いているようです。

 ただ、17年6月には「AKIBAビックマップ」として、ソフマップ秋葉原本館を「ビックカメラAKIBA」へと転換し、既存の秋葉原地区のソフマップ7店舗をニーズ別の専門店「ソフマップAKIBA」として5店舗へと再編するリブランディングも実施しているので、今回の赤字はそれに伴う費用負担もあったのかもしれません。

photo ビックカメラAKIBA(ニュースリリースより)

 とはいえ、シビアな状況が続くことには変わりなく、このままIT産業草創期に活躍した業態として、時代の流れの中で存在感を失っていくのか、秋葉原でも本格的に始まったビックカメラ(電気街)とヨドバシカメラ(昭和通り)の全面対決の中で、いぶし銀の活躍を見せたりするのか、注目です。

ソフマップの過去業績、他の企業情報は「NOKIZAL」で確認できます

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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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