“日本が知らない”海外のIT
オンラインで完結する「本人確認」 AIで顔認識 エストニアに注目(1/2 ページ)
オンラインでクレジットカードの発行を申請する際、最後の「本人確認書類のコピーを送付」という作業に煩わしさを感じる人は多いだろう。オンラインで完結させたいのに、わざわざ有休を取って店舗に出向いて銀行口座を開設――そんな経験をした人もいるかもしれない。
こうした面倒な作業が発生するのは、金融系サービスにとって「顧客確認」(KYC:Know Your Customer)が必須とされているからだ。
最近になってようやくオンラインで完結する手続きも出てきたが、多くのサービスは出遅れている。それはオンラインでの本人確認技術がかなり高額で、大企業でないと導入が難しいからだという。
そんな業界の需要にいち早く目をつけ、世界中の中小企業を相手にビックビジネスに挑もうとしているのがエストニアのスタートアップだ。そのサービス「Veriff」とは一体どのようなものなのだろうか。
AIが顔認識とIDカードで本人確認
エストニアの首都・タリンを拠点とするスタートアップが開発したVeriffは、オンラインでの本人確認をより正確に、簡単に、そしてリアルタイムに行えるSaas(Software as a Service)型サービス。
顧客がスマートフォンやPCのカメラで顔とIDカード(パスポートや運転免許証など顔写真付きのもの)を写すことにより、顔を分析し、本人であると認証する仕組みだ。銀行やフィンテックなどKYCが必須とされている企業はもちろん、オンライン詐欺に悩まされている企業も活用できる。
Veriffで活用されているテクノロジーは顔認識技術と機械学習。顧客とIDカードの映像だけでなく、デバイスやネットワーク情報から何百ものデータポイントが収集され分析される。分析には機械学習を用いるので、人間では見過ごす可能性のあるパターンや例外も判断してくれる。
顧客がアクセスに使用するデバイスは、瞬時にブラックリストのデータと比較され、過去のアクセス情報も含めて分析される。他にも、提示されたIDカードが法的に有効であるか、偽造されたものでないかなど判断することも可能だ。こうしたテクノロジーにより、Veriffの認証技術が担保されているという。
Veriffを活用することによって得られるメリットは、個人としては、誰もが経験したことがあるように、本人確認書類の送付や窓口への訪問といった面倒が省けるようになること。
一方、企業側のメリットも大きい。本人確認が正確に行えるので、詐欺を防止できるのはもちろん、店舗の維持費や人件費などのコスト削減も期待できるだろう。
Veriffの導入方法はこうだ。まずWebサイトで申し込みをし、完了したらログインして必要なコードをコピー。あとは自社のサイトやアプリ内にペーストするだけ。
コストはプレミアムプランの場合、月々の支払いが49ユーロ(約6300円)。これに加えて、1回の認証ごとに2ユーロ(約260円)かかる。このほかに認証件数が多い企業向けにはエンタープライズプランを用意。こちらはVeriffの営業と要相談。
中小企業をターゲットに、本人確認版「Stripe」を目指す
Veriffは15年に、当時20歳だったカーレル・コトカ(Kaarel Kotkas)CEOによって創業。そのカーレルCEOは、なんとその歳にしてVeriffが3つ目のスタートアップの創業という根っからの起業家だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
“日本が知らない”海外のIT
日本にまだ上陸していない、IT関連サービス・製品を紹介する連載。国外を拠点に活動するライター陣が、日本にいるだけでは気付かない海外のIT事情をお届けする。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
2
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
3
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
4
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
5
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
8
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
9
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
10
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR