この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「IBM Think 2019の基調講演にRed Hat CEOのジム・ホワイトハースト氏が登壇、IBMとのシナジーを語る。IBM Think 2019」(2019年2月13日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
IBMが米国サンフランシスコで開催中のイベント「IBM Think 2019」。基調講演に相当する「Think 2019 Chairman's Address」に、IBMによる買収が発表されたRed Hatの会長兼CEO ジム・ホワイトハースト氏が登壇。IBM CEOのジニ・ロメッティ氏と対談を行いました。
対談の内容の一部を、ダイジェストとしてまとめました。
ホワイトハースト氏: この10年で最も重要なことの1つは「ユーザードリブンなイノベーション」だと思います。
将来、技術がどのような方向へ進化していくかを考えると、例えばFacebook、Twitter、LinkedIn、Googleなどは大規模なデータセンターにおける課題や分析を解決するために素晴らしいテクノロジーを開発しています。それらがオープンソースとして登場してきているのです。
ロメッティ氏: その中でRed Hatはどのような役割を果たすのですか?
ホワイトハースト氏: 技術そのものは素晴らしいのですが、しかしそれらを使うにあたっては課題もあります。Kubernetesなどがそうだし、初期のLinuxもそうでしたが、例えば想定されているスケールがWeb全体だったり、逆に企業が使うにはあまりにも局所的だったりと、適切なサイズが想定されていないことがあります。
あるいはライフサイクルについても、企業はソフトウェアを導入したら5年や10年は使うことを想定していますが、オープンソースそのものはそうしたことを想定していなかったり、またセキュリティに関する考え方も異なっていたりといったことがあります。
そこでわれわれはこうしたオープンなイノベーションを企業が使いやすいように、ライフサイクルやセキュリティなどを適切なものにし、教育機会も提供します。これによって企業はミッションクリティカルなアプリケーションをそうしたもののうえで実行できるようになるのです。
ロメッティ氏: 私たち(IBMとRed Hat)が一緒になることで、お客さまにどのようなメリットがあるのか、説明してみてもらえませんか?
ホワイトハースト氏: これは非常にエキサイティングなことだと思っています。それにはいくつかの理由があるのですが、最も核心的なのは、Red Hatはオープンソースプロジェクトからスタートして、その後、先ほど申し上げたように企業向けの製品を提供するようになっていくわけです。
企業の課題を解決する上で、90%をオープンソースが、残りの10%をわれわれが提供していますが、より重要なのはそうしたテクノロジーを用いることで、企業が持っているデータをさらに活用できるようになるということです。
データは日々の企業活動の中で生まれてきます。オープンソースはシステムの中からそうしたデータを取り出すような機能を提供しますが、例えば企業向けのさまざまなAIによってさらに活用が可能です。
IBMのさまざまな企業と業務に対する幅広い知識と、私たちのオープンソースのソリューションが組み合わされることで、企業に変革をもたらすことができるでしょう。
両者はこの後さらにエッジコンピューティングについて、ソフトウェアのコンポーネント化などについての話題を語っていました。
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